【宇都宮競輪・GⅡ共同通信社杯】九州勢のビッグ決勝3人は2年ぶり、荒井崇博にV好機!
<15日・宇都宮競輪・3日目> 【九州王国 再興へ】 勝ち上がっていた九州勢4人のうち、惜しくも敗退した松岡貴久を除く3人が決勝に勝ち上がった。10Rの北津留翼―荒井崇博は2、3着。9番車の荒井は、号砲とともに誘導員後位へまっしぐら。荒井は「あれが全てやったね」と、九州2車が前から攻めを始められた初手を自画自賛した。「翼は前受けから引いての捲りがいいはずだから」という思惑通り、北津留は8番手に引いて2角捲り。前日に「脚がないので」と取鳥雄吾の番手回りを選択したとは思えない捲りを北津留が放ち、荒井も続いた。直線で抜け出した深谷知広には届かなかったが、決勝切符を2人とも手にした。 11Rの山崎賢人―松岡は2、5着だった。まるで10Rの走りをお手本にしたかのように、松岡がSで前を取り、山崎が引いての8番手捲り。直線で松岡は山崎と接触したため優出にはわずかに届かなかったが、山崎は北津留同様に2着まで伸び続けた。 九州勢がトリオでビッグ決勝に進んだのは2022年6月の宮杯以来(山田庸平―荒井―園田)。20年のこの共同杯以来ビッグVのない九州にとって、大きなチャンスがやって来た。 決勝は、「自力で走りたいと志願しました」と山崎が先頭。北津留は「長崎の間に入ってしまうので」とややためらったものの番手を選択。それを聞いた荒井は「翼も責任感が出てきたね」と目を細めた。「ビッグはどこも強い。長崎だの佐賀だの言ってたら勝てん。九州は一つで戦わんと」と、一丸となってVをつかむ。
荒井はデビューから2年8カ月の2001年12月、ヤンググランプリでGⅡを制覇した。将来を嘱望された23歳の若者も、もう46歳。それ以来、ビッグ制覇は成し遂げられていない。だが、自分でも「今が一番強い」と言うように、衰えるどころかますます隆盛。「勝ちたいね。やっちゃろうか」。取れそうで取れなかったものを、ようやく手にする時が来た。