「世界第2位」なのに、日本では相次ぐ閉店…サブウェイ苦戦のウラにあった「日本人の国民性」
“完成品”を求める人が多い
ズバリ、サブウェイが日本で伸び悩む理由とは何なのだろうか。重盛氏に聞いた。 「サブウェイの注文方法が日本人の国民性に合っていないということが、大きな理由の一つとして挙げられるでしょう。というのも、日本人は規格品やパッケージ商品などの“完成品”を求める人の割合が多い傾向にあるのです。そして、簡易的な注文方法を好み、素早く商品を手に取りたいという傾向がより強い。 一方、サブウェイはパンの種類から、具材、ソースなどを選んで商品をカスタマイズすることが特色です。アメリカでは、このように自分好みにカスタマイズすることでオリジナリティを出せるという部分が、個を大切にする国民性と合致して、受け入れられてきました。こうした日本人とアメリカ人の国民性の違いが、両国のサブウェイ支持率が大きく異なる要因となっているのでしょう」 なるほど、たしかに国内のファストフードといえばセット商品が多いし、自分で商品自体をカスタマイズするという習慣は日本においては少ない。本国におけるサブウェイのストロングポイントが、日本では裏目に出てしまっているということか。 ちなみにサブウェイではベースとなる商品を決めてから、パンの種類、トッピング、野菜の種類、ドレッシング・ソースの種類を選ぶ形となっており、完成するまでに全部で5つの工程がある。
ファストフードらしからぬ提供方法
「そしてもう一つの理由が“ファストフードらしからぬ提供方法”にあります。ファストフードといえば、ある程度作り置きして、注文から提供までが素早いことが特徴です。しかしサブウェイの場合は、作り置きなどは一切せず、注文を受けてから具材を丁寧に挟んだり、パンを焼いたりするわけです。 それゆえに他のファストフードチェーンより提供がゆっくりな印象になっており、サブウェイの注文方法は素早くパパっと手軽に食べたいというファストフードのニーズには、少々合わないスタイルかもしれません。しかし、作り置きせずに、透明のショーケースを通して具材の状態を可視化することで、鮮度や品質を保っていることを証明している点は、ほかのファストフードチェーンにはないサブウェイならではの強みでもあるのです」 X上でもサブウェイの提供の遅さについて言及されたポストがいくつかあったが、食材の鮮度を保つ、出来立てを提供するというサブウェイのセールスポイントが、またもや裏目に出てしまっているのかもしれない。