「朝起きたら足が」女性を襲った恐怖の“感染症” 彼女が経験から悟った「病気から身を守る方法」とは?
自営業の47歳の女性は、「溶連菌感染症」がニュースで取り上げられるたび、10年前、自分の身に起きたある”怖い”事件を思い出す。女性が忘れられない、そのできごととは――。 女性の名前を佐藤由美さん(仮名)としよう。それは10年前、PR会社に勤務していた36歳のときのことだ。 【写真で見る】女性が経験した足のむくみのイメージ。由美さん曰く「この写真の2倍くらい。絶対に病気だなと思うほどで、例えるなら”乳児のちぎりパン"のような状態でした」 ■朝、起きると目を疑った ある朝、ベッドから起き上がって足を見た瞬間、由美さんは自分の目を疑った。 足全体が普段の2倍くらいの太さになっている。ひどいのは足首からふくらはぎにかけてで、とくに足首はそれとわからないほど膨張。膝までが1本の棒のようになっていた。
「むくんでいるというレベルではなく、ドラえもんの足みたいな感じです。思わず、『うわぁー!!』と叫んでいました」(由美さん) 不思議なことに、足は重だるいものの、痛みなどはなかった。体調も悪くない。とはいえ、「何かよからぬことが起こっている」と感じた由美さん。その足の状態に夫も驚き、「すぐに病院に行ったほうがいいよ!」と受診を促した。 「急いで、歩いて5分ぐらいのところにある近所のクリニックに行きました。歩きにくい感じはありましたが、何とか1人で行くことはできました」と由美さん。
■なぜこんなにむくんでしまったのか 「それにしても、なぜ、こんなに足がむくんでしまったのか……」 診察を待つまでの間、由美さんは考えをめぐらせると、1つだけ「もしかしたら」と思い当たることがあった。それは2週間ほど前、「溶連菌感染症」という病気にかかっていたという事実だ。 溶連菌感染症は、溶血性レンサ球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌が主にのどに感染することにより、咽頭痛や発熱、体や手足の発疹などの症状を引き起こす病気だ。
この溶連菌が全身にまわり、手足の壊死(えし)から死に至る「人食いバクテリア」(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)が、昨今では話題になっている。 「そのときは、のどに痛みがあったので、最初は風邪だと思っていたんです。でも数日のうちに急激に悪化し、焼けるように痛み出した。熱は39.5度まで上がりました」 のど全体が真っ赤で、つばを飲み込むのもつらかったという。 「仕事帰りに、会社近くのクリニックを受診したのですが、医師はのどを診るなり、『あー、溶連菌感染症だね』と、きっぱり言われました」(由美さん)