【独自】児童相談所で子ども間の性被害か 一時保護された男子生徒が訴え 自宅に戻っても通学困難に 児相「一切お答えできない」
千葉県内の児童相談所で、2024年5月~7月に一時保護されていた中学1年生の男子生徒が、同じく保護されていた小学生の男児から1カ月以上にわたり、性的な被害を受けた。男子生徒とその父親が千葉日報社の取材に対し、こう訴えている。現在、男子生徒は自宅に戻っているが、保護される以前は通えていた中学校に通うことが難しくなっている。子どもを安全に保護するはずの施設で起きたという事態に、男子生徒の父親は不信感を募らせている。 男子生徒の父親によると、親子げんかが激しくなり、近隣住民が通報したことで、男子生徒は24年5月に県児相に保護された。その後、施設の食堂で昼食や夕食を食べる際などに、男児に服の上から陰部などを触られるようになったと男子生徒は話す。 男児からの度重なる行為に耐えかね、男子生徒は児相の職員に被害を訴えた。職員は「注意しておく」と話したが、男児からの性被害はなくならなかった。その後、職員に再び相談し、男児は他の子どもたちと接触しないよう個室に移されたという。 父親が問題を知ったのは一時保護を解除するとの連絡を受け、施設に息子を迎えに行った日だった。保護されてから2カ月ほどでの突然の解除に驚きつつも駆け付けると、息子が性被害に遭っていたことを職員から説明された。迎えに行ったタイミングでの報告に「それまでにも息子の性被害を私に伝える機会はあったはず。子どもを返すからこのことは水に流してくれというふうに受け取れる」と、父親は怒りをあらわにしている。 子どもを保護するはずの施設で子どもが心に傷を負うという考えづらい事態。職員への相談後も終わらなかったという性被害。職員が子どもを適切に管理する体制は整っていたのだろうか。職員の初動対応は十分なものだったのか。父親は「息子から相談を受けたときに適切に対処できたはずなのに、被害を軽く考えていたとしか思えない」と訴える。 問題が起きた県児相は、取材に対し「子どものプライバシー保護を第一の目標としている。事実として(性加害が)あったか、なかったかを含め、一切お答えできない」との回答だった。 取材に対して一切の回答を控える県児相の姿勢に対し、父親は「子どもがやったことなら全て終わりになるのか。子どものプライバシーは大事だが、その前に児相という施設で起きた問題。事実を公表して、二度とこのような被害が起きないようにするべきではないのか」と求めている。