「自分自身という、すごく身近ですごく大きな壁」――北京五輪に挑む鍵山優真、一番の敵は「メンタル」
(制作:庄輝士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
北京五輪開幕まであと2日。フィギュアスケートの男子シングルは、羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真の3人が出場する。18歳の鍵山は五輪初出場だ。コーチである父のもと、小学校の頃から毎日、練習を積んできた。シニアに転向した2020-21年シーズンから急成長を遂げ、昨年は世界ランキング1位に。苦悩を乗り越えるきっかけとなった羽生の言葉、父の言葉とは。「発言していることは全て本音」。大舞台に向き合う今の思い、勝つための新しい挑戦について率直に語った。(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/文中敬称略)
勢いのよさが強み。自分らしさ全開で
8年前、10歳の鍵山優真はソチ五輪をテレビで見ていた。憧れの目で見ていたことを覚えているという。 「羽生選手の優勝と、浅田真央選手のフリープログラムがすごく記憶に残っています。(8年前は)オリンピックは遠い遠い存在だと思っていました。自分がオリンピックに出たいと思ったのは、平昌オリンピック(2018年)を見てからです。羽生選手の連覇や宇野選手の銀メダルを見て、自分もいい演技をしてメダルを取りたいなっていうふうに、その時思えたので」 「夢としては描いていましたけれど、何年も先の話だと思っていたので、あの時からもう8年経ったんだ、平昌から4年経ったんだと考えると、時の流れは速いなと感じています。一日一日は長いと感じる時もあったんですけど、あっという間でした。いろんなことがなければこんなに速く感じていないので、自分が成長したなと思います」
21年12月、全日本選手権で3位となり、北京五輪代表に選出された。昨季は初出場の世界選手権で2位、今季はグランプリシリーズで2連勝し、代表選考時点では世界ランキング1位。勢いに乗っている。 「自分は勢いのよさが強みだと思うので、自分らしさ全開で、勢いを試合にぶつけたいなと思っています。オリンピックという舞台は、特別感がすごくあります。でも、あんまり特別感を持ちすぎると変に緊張してしまうので、いつも通り自分らしくいられるようにしたいです」