「リーグワン」開幕直前に全選手薬物検査実施…なぜラグビー界から“麻薬事件”がなくならないのか
開幕を7日に控えたラグビーの新リーグ、リーグワンは4日、NECグリーンロケッツ東葛に所属していた外国籍選手がコカイン所持による麻薬取締法違反の疑いで逮捕された問題を受けて、リーグの全選手に対して違法薬物検査を実施すると発表した。 リーグワンの東海林一専務理事が同日、統括団体である日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事とともに都内で行った記者会見で明らかにした。すぐに結果が出るコカインと大麻を対象に、5日から開幕までの間に約1200人の所属選手に実施する。 再び陽性者が出た場合について、東海林専務理事は「検査結果に基づき、必要と判断される場合はリーグの運営に対して見直しを図る」と語った。しかし、当該選手の所属チームが予定通り試合を開催するか、あるいは中止するかに対しては明言を避けた。
年末に東葛のブレイク・ファーガソン容疑者がコカイン所持で逮捕
前身のトップリーグ時代から数えて3回目となる、日本人を含めたすべての所属選手を対象とした違法薬物検査が急きょ実施されることが決まった。 2020年3月の1回目、昨年2月の2回目ではともに全員の陰性が確認された。発端は2019年6月にトヨタ自動車ヴェルブリッツの選手2人が違法薬物所持容疑で、2020年3月には日野レッドドルフィンズの選手1人が違法薬物使用容疑で相次いで逮捕された不祥事だった。 残念ながら今回も、現役選手の逮捕がきっかけとなった。 警視庁麻布署は昨年12月30日、開幕を目前に控えた新リーグ、リーグワンの東葛に所属していたオーストラリア出身のブレイク・ファーガソン容疑者(31)を、麻薬取締法違反の疑いで現行犯逮捕した。 港区六本木の飲食店で男性とトラブルになり、任意同行された同署で実施された所持品検査でコカインの所持が発覚した。 逮捕が報じられたのは元日深夜。同容疑者との契約を翌2日に解除した東葛は4日に都内で記者会見に臨み、他の選手とスタッフへ実施した違法薬物検査で全員の陰性が、聞き取り調査で他の選手の関与がなかったことが確認されたとして、横浜キヤノンイーグルスとの開幕節(8日・柏の葉公園総合競技場)を予定通り開催すると発表した。 同じ場所でリーグワンの東海林専務理事、統括団体である日本ラグビー協会の岩渕専務理事もそろってメディアブリーフィングを実施。 開幕節を予定通りに開催したいとする東葛からの申し出を尊重し、承認したと明かした上で、東海林専務理事はリーグワンのディビジョン1から3までの全24チームに所属する、約1200人もの全選手を対象とした違法薬物検査を早急に実施すると発表した。