【日本ハム】39歳の宮西尚生が史上2位の年長セーブ レジェンドを落ち着かせたものは「たまたま目合って」
◆2024 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第3戦 日本ハム5―2ロッテ(14日・エスコンフィールド) 2位の日本ハムが第3戦でロッテに逆転勝ちし、2勝1敗で10年ぶりにCS第1Sを突破。3点リードの9回を託されて3人で締めくくったのは、今季0セーブの宮西尚生投手(39)だった。プレーオフ、CSの年長セーブは昨年最終Sで3セーブのオリックス・平野が39歳7か月。39歳4か月の宮西は、平野に次ぐ年長記録となった。 2016年に日本一を経験しているベテランが率直な喜びを口にした。 ―今の気持ちは。 「ここ数年のことを考えると、今この舞台、こういうヒーローインタビューの場所に立ていてるっていうのは本当に思いもしなかった。すごくうれしいです」 ―勝利の瞬間は込み上げるものが。 「いや、特にないですけど(笑い)でも本当に今シーズン若い子たちが一生懸命頑張ってここまで来て、最後の最後に潰したらどうしようっていうプレッシャーでマウンドに立ってました」 ―今年のチームの躍進、成長はどう見ていたか。 「本当にみんな一生懸命だし、絶対成長するって思っていた。ここまで成長したのは、本当に監督のおかげだと思います」 ―新庄監督への思いは。 「今日、9回行くって言われてなかったんで、いきなり言われてビックリしました。ありがとうございます、と言いたいです」 ―投手陣の仲間たちは。 「たくましすぎます」 ―最終Sの福岡ではどんな姿を見せたい。 「(日本Sでエスコンに)帰ってきますよ。皆でもう一度ここで戦いましょう!」 ―試合後は目がうるんで。「いや暑かっただけ(笑い)。大丈夫です」 ―皆が喜んでいた。 「もうそれが一番(うれしい)。ここまで若い子らがね、成長して結果出してこのステージまで来たわけやから『最後に先輩が崩すのだけは』という思いはあったんで。最後抑えてみんなが喜んでる姿見たときに、本当にうれしかったですね」 ―9回に行くと言われたタイミングは。 「イケ(池田)が投げ終わった瞬間。まさか。監督直々から連絡来たらしくて、ベンチから。なので気合は入りましたね」 ―自分が9回に、という予想は。 「全く。この2試合、1回延長いきかけた時に準備はしましたけど、それ以外はほとんどなかったので。延長要員か負けてるパターンかなって計算ではいたんで、まさか自分やとは思わなかった。びっくりって感じです」 ―起用の意図やメッセージはどう受け止めた。 「今年は本当にシーズン中から『楽しめ』って言葉を、1軍上がってきたタイミングで言われた時から(言われて)。途中、1回打たれた時にまた(監督から)連絡来て『一番楽しんでるのはミヤやから』ってことを言ってくれて。『この後も楽しんでくれ』って。そういうのを今シーズン最後までやりきった自信はあったんで、そういう意図もあったと思うし、最後、若手だけじゃないぞってメッセージもあったと思うし。いろんなメッセージがあったと思います」 ―意気に感じた。 「めちゃ感じましたね。で、投球練習中、たまたま監督と目合って『いける』って、うなずきもらったんで、そういうのもすごい落ち着いたし、そういうメッセージはすごい感じましたね」 ―CS経験者としてファイナルSは何が大事。 「経験はあんまり、関係ないかな。本当に1試合1試合が前のCSとはまた違うし、メンツも違うし、相手も違ければ、その場その場の雰囲気とか(も違う)。やるべきこと、そういうのをしっかりやったもんが勝つと思う。相手は優勝チームで強いのは分かってるので、僕らは思いきって楽しんで、結果それで日本シリーズに行けたらって思うんで」 ―日本一になった16年と似ている。 「チームの雰囲気は似てるかな、すごく。すごく似てる。粘って粘って最後にガーーンって(逆転して)。で、勢いづいてっていう勝ち方は本当にすごい似てるかな」 ―チームが成長した。 「今まで監督が本当にいろいろ経験をさせてきて。勝つ、結果が出だしたからその喜びも若い子らは全員感じてきたし、勝って楽しいっていうのがやっぱり一番やと思う。そういうところから自信になっていったんじゃないかなと思います」 ―選手は涙を。 「清宮(幸太郎)、きょう涙流した。やっぱり(キャンプ前の)けがで、やらなあかんタイミングでできなかった悔しさもあるやろうし、昨日の(浅間)大基もファームで頑張ってる姿をずっと見てた。そういうメンツがここに来て結果出してくれてるというのは、一緒に鎌ケ谷でやった仲間としてはすごくうれしい。それを、上にずっとおった(松本)剛とかがね、また同じように喜んでくれるやろうから、だからやっぱりチームの雰囲気はすごくいい。だから本当に、いい感じで福岡に向かえるんじゃないかなと思います」 ―福岡への意気込みを。 「邪魔しないように(笑い)。それだけ。そんな感じです」
報知新聞社