NYで半世紀 ジャズの本場を生き抜いた中村照夫が写真展 新宿・伊勢丹で
愛用機はフィルムカメラ「色は濃厚なんだけど、ディテールがつぶれてないんだよね」
こだわりがある。いまもフィルムカメラを使っている。 「ミノルタCLE(ライカで知られるドイツの名門エルンスト・ライツとの提携で生まれたCLの後継機。絞り優先AE搭載のレンジファインダー機)にズミルックスだっけエルマリートだっけ、28ミリをつけてる。一眼レフはコンタックスの初代RTSとST。ライツやカール・ツァイスのレンズは色が違う。デジタルはきれいに写りすぎる。報道にはそれでいいのかもしれないけれど。今回もライツのレンズで撮った写真を、デザイナーが『おもしろいですね』って言うんだ。色は濃厚なんだけど、ディテールがつぶれてないんだよね」 こだわりといえば、この日インタビューの場所となった新宿の喫茶店も、「ここのコーヒーうまいんだよ」と一直線に入っていった。 「ニューヨーク以外の都市の写真は、考えてみたらあまりないな。ニューヨークに住んでたから、ニューヨークを撮ったんでしょうね。やっぱり写真ってそういうものだと思うな。いまこうして東京にきたって撮れないですよ。どこにフォーカスすればいいのか、住んで見慣れないとわからない」 これからも、写真は撮り続けたいと笑う。 「僕はなんでも好きだから。目にふれるもの、手にさわれるもの、なんでも興味あるんだ」 (文・写真:志和浩司) 中村照夫個展「NEW YORK GROOVE」5月24日~29日・新宿伊勢丹