そもそもなぜ「カジノ構想」が浮上してきたのか 臨時国会で是非が焦点に?
五輪後の永続的な経済効果に期待
そこで急にスポットライトが当てられたのが、これまで15年にわたって浮き沈みを繰り返してきた我が国のカジノ合法化と、統合型リゾートの導入施策です。前回の記事でも紹介したとおり、我が国の統合型リゾートの導入には大きな経済効果が見込まれており、今年の4月、外資金融大手UBSはその投資家レポートの中で、国内に3軒の統合型リゾートが誕生したシナリオの元で全国総計で約9,500億円、東京に施設開発がなされた場合には約5,000億円の市場が形成されるとの推計値を発表しています。しかも、この需要はオリンピック誘致と異なり、毎年永続するものです。 統合型リゾートの導入で創出される観光需要は2020年以降に発生する観光産業の需給ギャップを埋め、オリンピック・レガシー(遺産)とも呼ばれる各種観光施設の利用を促進します。すなわち、短期間で「カンフル剤」的に機能するオリンピック誘致という施策を補助し、観光産業を継続的に我が国の経済成長の柱とするための重要な施策として、我が国のカジノ合法化と統合型リゾート導入の検討がなされているものであるといえます。我が国おけるカジノ合法化と統合型リゾートの検討は、「いまだからこそ」検討が必要な施策として考えられているのです。 (木曽崇/国際カジノ研究所所長)