賃金や就活にも影響はある?“株価の乱高下”大学生が経済部記者にきいてみた
株価の乱高下がなぜこんなにもニュースになっているのだろう…日本テレビで働く大学生が、賃金や就職、資産運用への影響について、経済部・金融担当の渡邊翔キャップにききました。 *シリーズを読む*「なぜ株価下落がこんなに大きなニュースになるの?」大学生が経済部記者にきいてみた
■円高と株価の関係性ってどんなもの?
8月5日、日経平均株価が、前の日と比べて4451円安と過去最大の下げ幅となりましたが、翌日の6日は一転して3217円高で過去最大の上げ幅を記録するなど、乱高下しました。 ──株価が下がったのはなぜなんですか? 渡邊:暴落の要因は大きく2つ。一つは、アメリカで経済指標が市場予想を下回ったことをきっかけに、急速にアメリカの景気後退への懸念が広がってアメリカ株が下落し、その影響が日本株にも波及したこと。もう一つの理由は、日銀が追加利上げを決め、今後のさらなる利上げにも前向きな姿勢を示したことが、アメリカの利下げ期待の高まりと相まって、歴史的円安が急速に修正されて円高に進んだことです。 ──円高に進むと、株価が下がるんですか? 渡邊:一般的に、円安になると自動車などの輸出関連企業は売上が増加するので、業績にはプラスです。これは株価の上昇要因のひとつになります。円高の場合、逆のことが言えますので、一般的には株安の要因になり得ます。 日銀の幹部も、「日本銀行の政策変更に伴って円安の修正が進んだことが、わが国の株価が他の国に比べてもより大きく下落、ないし変動した要因の一つだ」と認めています。 ──日銀の政策はどう変わったんでしょうか? 渡邊:7月31日に今年2度目の利上げを決めました。これで、日銀が今後もそれなりのペースで利上げを続けていくのではないかとの見方が市場に広がったことが、円高の急速な進行に大きく影響したとみられています。 そのため、日銀のナンバー2である内田副総裁は7日、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と強調し、市場を落ち着かせる発信を行いました。実際、内田氏の発信直後、それまで下がっていた株価は上昇に転じ、為替も3円近く円安に進みました。