「政治にカネがかかる」に潜む2つの嘘、前明石市長・泉房穂氏が教えます 選挙ドットコムちゃんねるまとめ
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年2月10日に公開された動画のテーマは「政治にカネがかかる」は嘘?ゲストに前明石市長で弁護士の泉房穂さんをお招きし、政治にお金がかかる構図の裏側について、語っていただきました。 本日も泉氏の機関銃のようなトークが炸裂します。ぜひ、スピードを落としてお聴きください。 【このトピックのポイント】 ・「政治にカネが必要」の言説には、2つの嘘がある? ・「カネを配る人間は政治家に向いていない」 ・お金がいらない選挙とは?
「政治にカネは必要」に隠された、2つの嘘
泉房穂氏(以下、泉):「前回はちょっと早口過ぎましたかね。皆さん、聴くときにちょっとスピード落として聴いてくださいね」 今回のテーマは、泉氏がX(旧Twitter)で強く訴えているものです。泉さんは、「『政治にお金がかかる』という言説には、2つの嘘がある」と言います。 1.「政治」ではなく「選挙」にお金をかけている 2.お金が「かかる」のではなく、お金を「かけている」のである 泉氏は、いまの永田町には「(政治決断をする、方針転換を覚悟をもってする)選挙屋さんしかいない」、それを見て世の中の人は「政治家と思っている」と喝破します。 衆院議員の経験もある泉氏は、「政策立案をするのに、それほどお金はかからない」と力説し、「選挙にお金がかかるのではなく、お金をかけているのだ」と説明します。 選挙に必要なコストについて、泉氏は「ゼロではできないが、マイクセットとビラの印刷代にはお金がかかる」としながらも、費用を抑えることは可能であると説明します。そのポイントとなるのは以下の3点です。 ・短期決戦 ・選挙のシンプルかつ明確な争点化 ・市民ボランティア
しかし、実際に選挙を戦った経験のあるMCの乙武洋匡は、「有権者にも責任の一端があるなあと思っていて」と、新年会のような場に政治家の参加を強要する傾向があると指摘します。 泉氏は、「ルールを変えるのか、地域文化を変えるのか。両方大事」と応じながら、MC乙武の戦った参院選2022東京選挙区のように、広いエリアで多くの立候補者が乱立するケースでは、名前を浸透させるだけでも「いろいろなことをせざるを得なくなる」ため、お金がかかりがちだと振り返ります。 泉氏「(乙武さんは)カネのかかる選挙に出られましたね。止めようかと思ってんけど。エリア広いしぃと思ってぇ(笑)」 期数を重ねるごとに、選挙にどんどん強くなっていった泉氏。最初の選挙は僅差でしたが、会合に顔を出せ、会費を払えという圧力には屈しなかったのでしょうか……? 泉氏「行ってない行ってない。そんなこという人間『お前入れないぞ』って、『(票)入れてないやないか、何を言うてるか』って」 MC乙武「強すぎる(笑)」 泉氏のキャラクターがなせる技かもしれませんが、強固な地盤がない立候補者が、有力者をはねつけて泉さんのようになれば、逆に強烈なファンができて、どんどん選挙に強くなるというヒントではないかと、MC乙武は読み解きます。 泉氏が12年前に明石市長選に初当選した時、「全政党、全業界団体、宗教団体も労働組合も企業も相手候補を応援する」中で、市民だけで戦う構図を作り、市民で勝ちきるという戦略を取った泉氏。結果、「市民以外誰にも気を遣わなくて済んだ」とし、選挙戦略と、その後の政治・行政がつながっているのだと説明します。