ビジェガスの復活優勝で話題となったフェースが開閉しない価格11万円のパターって何だ?
「ネクストヒロインツアー」で取材していると、PGAツアーのカミロ・ビジェガス(コロンビア)やルーカス・グローバー(米国)が使用するパターを使用する女子選手を発見。なんとも独特な形状をしているそのパターについて、現在開催中の第9戦「マイナビカップ」にて、“おはようイーグル”スタートしている林亜莉奈を直撃取材した。 ビジェガス使用パターはシャフトが左からヘッド中央部に挿さっています【写真】 彼女が使用しているのは、『L.A.B. Golf(ラブゴルフ)』の『MEZZ.1』(メッツワン)パター。価格が11万円を超える超高額モデル。昨年9年ぶりの勝利を挙げたビジェガスやパターイップスから立ち直り昨年2週連続優勝を果たしたグローバーらが使用して話題となった。フェースが一切回転しないパターとは、一体どういうことだろうか? 「このパターはトルクがないんです。自分のイメージ通りにフェースが動いてくれるので、フェースが開くミスなどがない。普通はネオマレット型のフェースをスクエアに保って真っすぐ動かそうとすると、フォローで開くミスが起きますが、これは手元を真っすぐ動かすと、フェースが開閉せずにスクエアに当たります」(林) 通常パターを手に置いて傾きを確認すると、フェースバランスのパターはフェースが真上を向く。つまりフェースのトゥ側とヒール側のバランスが整っており、真っすぐ振りやすくなっているのだ。しかし、『MEZZ.1』パターはシャフトがヘッドの中心(重心部分)に挿さっているため、トゥ・ヒールのバランスだけでなく、フェース側とソール後方側でも重心バランスが取れている。ストローク中にフェースが回転しないため、真っすぐヘッドを動かせばスクエアに当てられるのだ。 「しかもこのモデルは、ヘッドをスタンスの真ん中に置いて構えると自然とハンドファーストに構えられるんです。シャフトが左からヘッド中央に挿し込まれています。自分でハンドファーストに構えなくてもハンドファーストの形を保って打てるんです」 ハンドファーストの形で振った方が、左手リードで振れるため、フェース面が制御しやすいという。また、手元を真っすぐ動かそうとすると、どうしてもフェースが開いてしまう癖があったが、このモデルはシャフトより左側にフェースが位置するため、自然にヘッドが前に動いてくれる。手元が動かなくなったパターイップスに悩む人に有効な設計であり、PGAプロたちの悩みを解決してくれた性能ともいえる。 価格は少々お高いモデルだが、パットの悩みが解決するのならば、試す価値はありだ。特にショートパットに悩む人にオススメしたい。 ◇ ◇ ◇ 今季6勝を挙げている竹田麗央は、平均パット数2位を誇る。関連記事【『柔らかい打感』と『ツノ型ヘッド』ですでに6勝! 竹田麗央の平均パット数2位の秘密】を読めば、その秘密が使用パターにあることが分かる。