<咲き誇れ!センバツ広陵>日本一目指す「21人目」たち 役割通じてチーム支え 記録員、補助員らも一丸 /広島
センバツで4度目の優勝を狙う広陵は1、2年生部員ら約100人の大所帯だ。出場する20人に選ばれなかった選手やマネジャーも自分たちの役割をこなし、「日本一」を目指している。【武市智菜実】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 記録員としてベンチ入りする河手音和選手(2年)はメンバー入りを目指して練習に励んできた。ノック練習が終わると「グラウンド整備お願いします!」と声を張り上げる。只石貫太主将(2年)も「一番元気があって、声を出したらグラウンドのどこにいるかすぐにわかる」という。昨秋の公式戦では応援団長を務め、「声援がめっちゃ響いて打席で力になった」と只石主将。2月に記録員の役割を告げられたが、河手選手は「元気とガッツは誰にも負けない。『21人目』のメンバーとして、ベンチを盛り上げたい」と意気込む。 他の部員も、大会中、補助員としてメンバーを近くで支える。宿舎での洗濯物の管理や道具の準備、荷物運び、大会中のボールボーイなど仕事は多様だ。甲子園に向けて出発した14日の前夜、甲子園練習で使うボールの整理をしていた生藤滉己捕手(2年)は、練習試合の動画を撮影し、その後の練習に役立てる。酒井綾希人選手(2年)は「実戦のプレーについて気づいたことをはっきりと伝えてくれる」と信頼を寄せる。 高尾響投手(2年)の各試合の成績がすべて頭に入っているほどの研究好き。例えば、今月2日の試合は「2回を投げて、打者6人、ノーヒット、5三振」と記憶する。直球がベース前で伸びるなど調子が良い時の投球を覚え、調子が落ちると「あの時の投げ方を思い出して」と声をかけてきた。最近の状態については「常に140キロ後半をマークし、コントロールも良い。仕上がっている」と評価する。 国只醒永選手と鮫島陽真投手(いずれも2年)も補助員としてセンバツに臨む。「荷物運びなどを率先して、みんなが気持ち良くプレーできるように気を配りたい」と話す。2人ともセンバツではサポートに徹するが「甲子園の雰囲気を近くで感じ、他のレベルの高いチームの様子も見たい」「今大会で、配球やギアを上げるタイミングをしっかり勉強したい」と選手としての成長にもつなげたい。 マネジャーの兼武勇雅さん(2年)は練習メニュー作成のために選手の意見をまとめるなど監督と選手の橋渡しをしている。「毎日の練習でも、甲子園を意識した緊張感を持っている。甲子園独特の雰囲気に飲まれないようにしたい」と気を引き締める。