菅野智之、メジャー通用するか厳しい声も「日本ではしのげても通常そうはいかない」「最高レベルの投手」ながら「うのみにはできない」
巨人から海外FA権を取得した菅野智之投手(35)は、オリオールズと年俸1300万ドル(約20億2000万円)の1年契約に合意したことが17日(日本時間18日)に判明。複数の米メディアは菅野の目覚ましい成績をたたえると同時に、懸念材料も提示した。 米放送局CBSスポーツは、菅野を「技巧派という点で最高レベルの投手」としながらも、日本プロ野球(NPB)は圧倒的な『投高打低』だと警告した。 ◆ようこそ菅野智之…オリオールズ公式が歓迎ポスト【写真】 「現在のNPBは極端な『飛ばないボール時代』の真っただ中にある。今季の防御率平均は3・04で、大リーグの4・07より1・00以上も低かった。であるから、日本の投手に関しては驚くべきスタッツを目にしても、特に環境の違いから、うのみにはできない」 また、「そのため、スタッツに関しては割り引いて見るべきだ。実績に対する適切な評価を下そうとしても、日本や韓国から来る選手たちが大リーグに来るときの成績予想は至難の業となっている」とし、今季メジャー1年目で15勝(3敗)、防御率2・91はともにリーグ3位と目覚ましい活躍を見せたカブスの今永昇太(31)と比較した。 「今季の菅野は素晴らしかったが、その直前の3年間は急降下していた。2021~23年は防御率3・23。悪くない数字だと思うかもしれないが、日本プロ野球が信じられないほど投手に有利な現状を思い出してほしい。23年の菅野の防御率3・14は、リーグ平均の3・19とほぼ同じだ。一方、同年の今永昇太(当時DeNA)は防御率も奪三振率もはるかに良かった」 23年の今永は防御率2・80、9イニング相当の奪三振率は10・6。菅野の奪三振率は6・3で、今季は6・4だった。 米ファングラフスも「菅野の今季防御率1・67は響きこそ素晴らしいが、実質は異なる。というのも、NPBの打撃成績低下は顕著で、セ・リーグの今季平均は3・22得点。本塁打率に至っては、メジャーの半分以下だった」と、同じ論調で報道。 「そういう意味で、日本では『tame fastball(大したことがない直球)』でしのぐことができても、パワー満載のア・リーグ東地区では、通常はそうはいかない」と厳しい見方を示しつつも、続けて「とはいえ、菅野の制球力も『通常』とは大きくかけ離れている」と、身上であるピンポイント制球がメジャーの長打力を封じる可能性に期待した。 昨季のチーム本塁打数は、メジャー30球団でヤンキース237本、オリオールズ235本とア東が1、2位を独占。同地区のレッドソックスも194本で9位だった。
中日スポーツ