「不倫維持するため邪魔者として…」妻と1歳の娘を殺害した元看護師の男に“無期懲役”を求刑 検察側が厳しく非難「冷酷残忍な犯行」 最終陳述で男は謝罪
■遺族は「死刑」求める
さらに被害者参加人として出廷した遺族からは「被告人の犯行および犯行後の一連の対応は極めて悪質であり、発生した結果も極めて重大。また被告人の反省状況を見れば、この先いかに時間が過ぎたとしても、被告人に更正を求めることは不可能と言わざるを得ない。被害者の親族も厳罰を強く望む」 このように意見し、「死刑」を求めた。
■弁護側「更生可能性がないとは言えない」有期刑求める
一方の弁護側は、春香さんが起こした交通事故について、子育ての疲れもあったのではと指摘。 弁護側: 「子育ての疲れ・睡眠不足・事故のショックなどで記憶があいまいなところがあってもおかしくない」 春香さんが運転中に信号を停止するなどしていたため、高度な判断能力や行動能力が、薬による効果が出ていたら、困難なことであると説明した。さらに… 弁護側: 「春香さんが自宅マンションを出る時点で、運転途中に車を停止させる判断や行動ができずに死亡事故を起こすということはイメージし難く、少なくとも、死んでくれた方がいいと思っていたとは考え難い。妻に睡眠薬の効果が生じているのを認識しながら、あえて運転を止めなかった、ということではない」 こう話し、殺人未遂罪が成立しないと主張した。 また、塩化カリウムを静脈注射するために必要な注射器を勤務先の病院からは持ち帰っておらず、具体的な殺意が高まったのは事件を起こす3日前とし、窃盗罪は成立するものの、殺人予備罪は成立しないとした。 弁護側: 「どんなに反省しても、どんなに謝罪しても、許されることではないことは言うまでもない。妻子というかけがえなのない2人の命を奪ってしまった。これから長時間かけて反省をさらに深め今後一生贖罪の気持ちを持ち続けることが必要。それが亡くなってしまった妻と娘への償いにつながる。更正可能性がないとは言えない」 弁護側は、「有期刑」での判決を求めた。
■渡辺被告は最終陳述で声を詰まらせながら…
新潟地裁の小林謙介裁判長から、最後に何か言いたいことはあるかと問われた渡辺被告は声を詰まらせながら、約2分にわたり妻と娘への謝罪の思いを述べた。 渡辺被告: 「この先もずっと妻と娘に謝り続けたいと思う。妻と娘が私に向けてくれた思いに応えられなかった。自分の罪と一生向き合って妻と娘にしてあげられなかったこと、数々の後悔、自分の犯した過ちを一生振り返り、考え見つめ、お詫びし続けたい。本当に申し訳ありませんでした」 最後に証言台で頭を下げ、法廷を後にした渡辺被告。判決は11月22日に言い渡される。
NST新潟総合テレビ
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