歴史に名を残した5つの精鋭部隊、どんな装備で戦った? レギオンからコンキスタドールまで
米独立戦争の民兵
北米の英国植民地には常備軍がなかったが、防衛のためにパートタイムの地元民兵部隊を組織していた。16歳から60歳までの参加可能な男性は、自分のマスケット銃、弾丸、火薬を用意して不定期に行われる訓練に自主的に参加するよう求められた。 1775年4月19日の朝、レキシントンとコンコードで英国軍と植民地側の民兵隊の戦闘が起き、米独立戦争の火ぶたが切られた。この戦闘の兵士たちは専門の訓練を受けた有給の民兵で、ボストン茶会事件後に数カ月にわたって演習を繰り返していた。 だが、民兵の多くは戦闘能力や士気が低かった。一般に彼らは規律を守らず乱暴であり、戦闘意欲も乏しかった。1776年、ジョージ・ワシントンは、民兵は将校を「ほうきの柄」ぐらいにしか思っていない、と書いている。さらに「民兵は概して有能か有害かと問われたら、私は後者と答える」と述べている。 それでも、こうした民兵たちは大陸軍の補充兵として活躍し、独立戦争の戦場で有効な戦力となった。
文=PATRICIA S. DANIELS/訳=稲永浩子