【MotoGP】KTMへの圧力? アコスタ、夏休みにファクトリー訪問し内情確認へ「必要なだけオーストリアに行くつもり」
2024年のMotoGPクラス大型ルーキーとして注目されてきたペドロ・アコスタ(GASGAS)は、サマーブレイクを利用してKTMのファクトリー施設を訪問する。 【動画】MotoGP2024 第9戦ドイツGPハイライト アコスタは3月にデビューすると、ルーキーらしからぬ競争力を発揮し、ポルトガルGP、アメリカズGPで連続表彰台を獲得。しかしその後はトップ10を走るものの、表彰台争いには加われない状況が続いた。 KTMの競争力がドゥカティに比べて十分ではないという要素も当然関係しているが、アコスタはこの状況を見極めるべくKTMファクトリーへ訪れ、納得するまで確認する意思を持っている。 ドイツGPで終了後、アコスタは「月曜から1週間、あるいは必要なだけオーストリアに行くつもりだ。ファクトリーへ行って、そこで見て、学んで調べるつもりだ」と語った。 こうした動きはアコスタがKTMへプレッシャーをかけていると考えていいだろう。KTMを訪問し、誰が責任者なのかを確認し、KTMに自身のキャリアを賭けることが正しいのか、それともここが夢を追う上で適切な場所ではないのかを見極めようとしているという印象を与えている。 「ローマは1日にしてならずだ」 アコスタはドゥカティとKTMとの差について訊かれた際、そう答えた。 「(オーストリアへの)片道チケットだけだよ。復路のはない。何日くらい滞在するかは、これから様子を見ることになる」 「顔を突き合わせてコミュニケーションをとる方が良いんだ。たとえ1~2週間留まることになってもね。ファクトリーでは毎日新しい質問や物事の様々な考え方があるだろうし、やることはたくさんある」 「Moto2ではカレックスとだったし、Moto3のチームは人数も少なかったから、プロジェクトに関わっている人を皆知っているわけじゃない。いつ、誰が関わっているのか、その内情を知ることは重要だと思う」 こうしたアコスタの姿勢には、KTMがドイツGP中に技術責任者との契約を終了させたことも関係があるだろう。KTMは以前はドゥカティでジジ・ダッリーニャの右腕を務めていたファビアーノ・ステラッキーニを、約3年間テクニカルディレクターに据えていたが、ステラッキーニは2025年に契約を更新せず、KTMを離脱することが明らかにされた。 アコスタは、このことでドイツGPの結果が変わるようなことはなかったとしつつも、KTMの上層部がどういった考えで動いているのかを疑問に思っている。そしてファクトリー訪問の理由のひとつにはステラッキーニとも話をすることが含まれているという。 「何が起こったのかは分からない。ザクセンリンクで起きたことを考えると、ファビアーノがいてもいなくても、同じことが起きていただろうとは思う」 「僕が出した結論は、KTMのレースマネジメントが少し変だということだ。ファビアーノは全てのグランプリに出席しているわけではない。僕が走ってきた第8戦までで、3回しか目にしていない」 「オーストリアに行きたいと思った理由のひとつは、彼と話をしたいと思ったことだ。他のライダーからしてみれば普通のことなのかもしれないけど、僕にとっては理解できず、説明してくれる人もいないんだ。だから、ファビアーノと話をしてみたいんだ」 「ローマは1日にしてならずと言うだろう。僕らがピサの斜塔のような塔を立てるかどうかはともかく、真っ直ぐなモノを立てられるように頑張るよ」
Germán Garcia Casanova