ノイアーのキャリア初となる退場はなぜ起きた?日本人エキスパートの見解「スピードの衰えが否めない」「アクションの躊躇も」
真骨頂だがリスクの大きいプレー
現地12月3日に行なわれたDFBポカール3回戦のレバークーゼン戦で、マヌエル・ノイアーがプロキャリア866試合目にして初の退場処分を受けた。バイエルンが誇るその守護神は日頃から「退場はチームへの影響を考えると当然避けなければならない」と言い続けていただけに、その衝撃は大きい。 【動画】キャリア初!ノイアー衝撃の退場シーン バイエルンにとってこのレバークーゼン戦の意義は小さくなかった。過去4シーズンにおけるポカール早期敗退の汚名返上に加え、昨季のリーグ戦で無敗優勝、そしてポカール制覇も成し遂げた二冠王者を破ることで「盟主の威信」を少なからず回復できたはずだからだ。 試合はキックオフから両チームともアグレッシブにプレスをかけ、この試合への意気込みが感じられる展開であったが、徐々にバイエルンが主導権を握っていく。13分には中盤での小競り合いで両チームに1枚ずつイエローカードが出され、アリアンツ・アレーナ(バイエルンの本拠地)の雰囲気もヒートアップしていた印象だった。 866試合目の「まさか」が起きたのはその直後だった。スローインのこぼれ球をキャッチしたレバークーゼンのGKマチェイ・コバージュからCBヨナタン・ターにボールが渡る。とくに早い展開でもなく、バイエルンDF陣は整っているように思えたが、レバークーゼン左サイドのジェレミー・フリンポンが最終ライン裏へ斜めにスプリント。少々遅れながらも追走したバイエルンの右SBコンラート・ライマーに対し、裏へのケアが杜撰だった両CB(ダヨ・ウパメカノとキム・ミンジェ)の隙を突くように、ターの絶妙なボールが深い位置に入った。 ここでノイアーはペナルティーエリアを飛び出してヘディングでのクリアを試みたが、フリンポンが一瞬早くボールに触り両者が交錯する。そして、決定機の阻止によるノイアーの一発退場という判定が下ったのだ。そしてバイエルンは17分の時点で数的不利に陥った。 リベロGKとしてDF背後の広大なスペースを守るのはノイアーの真骨頂だが、一瞬でも遅れれば失点やレッドカードのリスクの高いプレーでもある。これまでのキャリアではそこに大きな綻びは生じなかったが、866試合目にして起きてしまったわけだ。
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