ホンダ「スーパーカブC100」マフラーからの白煙対策再確認 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.21
セオリーにあてはめオーバーホールは完了しました。早速、エンジン始動すると、残念ながら白煙が消えません。以前に吹き出していた白煙の影響もあると考え、マフラーを外して、マフラー内部に残っていたオイルやカーボン汚れをクリーナー液で洗い流しました。さらにダメ押しで、脱脂洗浄力が高いパーツクリーナースプレーで、マフラー内部を洗浄。再度エンジン始動すると、今度は白煙が目立ちませんでした。実走行テストして目立つ白煙は出ませんでしたので、オーバーホールの効果はありました。 しかし、意地悪な確認で、暖機運転後に空吹かしを繰り返すと、薄っすら白煙が出ることに気が付きました。現代のバイクのように、オイル下がりしにくい「バルブステムシール」を組み込めるように改造し、さらにピストンリングには旧式の鋳鉄一体型ではなく、現代のエンジンと同じ「ハガネリングとエキスパンダースプリングを組み合わせた3ピースオイルリング仕様」に交換できれば、さらに白煙が出にくくなるはず!? だと考えました。
純正流用で「モダナイズ」実践
OHVエンジンのC100系と、その後のC50系OHCエンジンは、吸排気バルブステムのφ径が同じでした。だったら使えるはずだと思い、C50系OHCエンジンの排気バルブに採用されているステムシール周りの部品(ステムシール・シールキャップ・スプリングシート)を流用してみました(C50系エンジンのステムシールは排気バルブにだけ装備されています)。
それら部品を組み込める吸排気バルブガイドの製作と内燃機加工一式は、iB井上ボーリングさんへ依頼しました。
ピストンリング問題は、偶然使えそうな=流用可能なピストンとピストンリングを見つけない限り不可能です。実は、諦めてかけていた(ワンオフできる予算などありません)矢先に、偶然の成り行き出逢ったのがスズキGF250用のピストンでした。
上下に丈が長いC100ピストン以上に丈が長かったのが幸いし、ピストンピン径もφ12と細い仕様でしたが、φ13へと加工拡大しました。最終的には、C100用シリンダーヘッドの燃焼室形状に合わせて、ピストントップの外周付近=スキッシュエリアを追加工することで圧縮比を下げることなく、3ピースオイルリングのピストンを流用できました。 そんな仕様のエンジンで、今現在はマフラーから白煙が吹くことなく、気持ち良く走ることができています。自己責任に於ける改造なので、お勧めはしませんが、執念で何とか白煙対策することができました。
たぐちかつみ