EV開発で出遅れた日本メーカー「中国リソースの活用」で巻き返しへ
トヨタも中国でBEVの投入を急いでいる。中国工業情報省が発表した第387回(2024年9月)、第388回(2024年10月)「道路機動車両生産企業及び製品公告」(車両生産許可リスト)には、それぞれ広汽トヨタ「bZ3X」、一汽トヨタ「bZ3C」が掲載された。 これまでの「bZシリーズ」と比べこの2モデルは、「ハンマーヘッド」のフロントデザインを採用し、スポーティな走りと個性的なスタイリングを備える。bZ3XとbZ3Cの2車は、2025年第1四半期に生産を開始する予定だ。
広汽トヨタで生産するbZ4Xは、中国車載電池で第3位の中創新航科技(CALB)製リン酸鉄リチウムイオン電池と、ニデック製の駆動システムを採用。一方、一汽トヨタで生産するbZ3Cは、BYD製リン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」および駆動システム、天津アドヴィックス製ABSブレーキシステムなどを用いるという。 なお、2車ともに「TOYOTA PILOT」と名付けられたNOA (Navigation on Autopilot)をトヨタ車として初めて搭載する。自動運転レベルでは「レベル2」となるが、高度な機能を備えるシステムだ。
■新車開発に中国勢のリソースを活用 近年中国では、デザインや乗り心地だけではなく、運転支援機能や乗車体験も車選びの重要な要素になっており、地場各社のBEVはNOAや自動音声を含む先進的な機能で、ガソリン車モデルとの差別化を図ろうとしている。 そうした中で、日系を含む外資系企業では、中国の合弁パートナーのBEVプラットフォームやリソースを活用して、新型車開発を加速させる事例が増えている。 先のMAZDA EZ-6は、マツダ「魂動」デザインと走行性能、長安汽車のEPAプラットフォームのコラボレーションで開発した新モデルであり、東風ホンダ霊悉Lは、現地採用のエンジニアが開発した合弁企業の独自ブランドだ。