近所にスーパーが2つあるのですが同じ食品でも「値段」が全然違います。スーパーの価格設定って「原価何%」くらいなのでしょうか?
スーパーで買い物をする際に「ほとんど近所にある店舗同士なのになんでこんなに値段が違うの?」と疑問を抱いたことのある方も多いのではないでしょうか。 基本的にスーパーで売られる商品の価格は店舗側が自由に決めるものですが、商品によって価格がほとんど変わらないものと、大きく差がでるものがあります。 今回は、スーパーマーケットの原価率と利益率について解説します。 ▼セルフレジになったら「客に仕事をさせるのか!」と暴言を吐かれた! 仕事だし我慢するしかないの?
スーパーマーケットの商品の原価率
一般社団法人全国スーパーマーケット協会による2023年の調査によると、全国のスーパーマーケットにおける商品カテゴリー別の目標利益率の平均値は、表1の通りでした。
出典:一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2023年スーパーマーケット年次統計調査」を基に筆者作成 日配品とは、毎日仕入れられる賞味期限・消費期限の比較的短い食品のことです。牛乳や豆腐、パン類、デザート類が例として挙げられます。同調査では冷凍食品やアイスクリームも日配品に分類されています。 また、非食品は日用品や医薬品、化粧品や文具など雑貨コーナーにある商品のことです。 上記は利益率であるため、おおよその原価率は100%から利益率を引くことで求められます。表1より、最も原価率が高いのは一般食品の80.2%(利益率19.8%)で、最も原価率が低いのは惣菜の62.2%(利益率37.8%)であることが分かります。 ■設定価格は店舗によって異なる 店舗によって売り出したい商品や商品の仕入価格が異なるため、すべてのスーパーマーケットが常に表1の利益率を守っているわけではありません。例えば、特売日は全体的に利益率を少し下げて集客につなげたり、曜日によって特定カテゴリーの商品だけ安くしたりして、バランスを取っています。 また、店舗の規模やエリア、物流の強さによって商品の仕入価格は異なります。近くにある店舗同士でも同じ商品で販売価格が異なるのは、売り出し価格と仕入れ力の違いによるものといえるでしょう。 ■規模や店舗数がある企業ほど目標利益率は低い傾向にある 一般社団法人全国スーパーマーケット協会による同調査の「商品カテゴリー別目標とする利益率(平均値)/企業分類別」によると、規模や店舗数別の目標利益率の平均値は、表2、表3の通りでした。