ヤンキース田中将大を勝たせた修正力
■田中が結果を残せた要因とは ヤンキースの田中将大が米国時間4日、敵地のトロントでア・リーグでも屈指の打線を誇るブルージェイズ打線を7回3失点(自責2)に抑え、白星デビューを飾った。無四球8奪三振で首脳陣に期待に答えた。7年162億円で契約したスーパールーキーに全米が注目していたが、田中は、なぜ結果を残せたのか。 特筆すべきは、その修正、対応能力の高さである。3回までに3点を失い、4回、打者ローリーに初球バントの構えを見せられると、女房役のマッキャンがマウンドに向かった。ひとこと、ふたことではない。結構、長い時間2人は会談をしていた。この会談が重要だった。 試合後、その中身を尋ねられたマッキャンは、「テレビカメラの前に言うことではない」と笑ったが、「直球で“ロケート”していこうと言ったんだ。直球を動かしていこうと。ツーシームを使っていったんだよ」と明かした。序盤は、スプリットとスライダーを軸とした変化球での組み立てが裏目に出ていた。初回、いきなりカブレラに3球目にオーバーフェンスされたが、スプリットが浮いたボール。二回にも一死から連打を浴びたが、いずれもスライダー。満塁となってからディアズに初球を三遊間に打たれた2点タイムリーは、真っ直ぐだったが、カウント球と勝負球の両方に使うほど多投としていた、スプリット、スライダーという変化球を狙い打ちにされていた。 ■与田氏「初球をみたとき勝てると思った」 解説者の与田剛は、マッキャンのリードをこう推測している。 「私は、初球の外低めに決まった149キロのストレートを見たときに、今日は勝てると思いました。ストレートにカンカンとタイミングが合っていたわけではなかったので、あの配球を疑問に思ってみていましたが、マッキャンにしてみれば、強力打線のブルージェイズを相手には、スプリットを多く使わないと通用しないと、怖さを抱き、変化球に頼ろうとしたんでしょう」