マカオ、祈祷詐欺で中国人の男女5人逮捕…地元の高齢者が被害
マカオ司法警察局は7月22日、いわゆる祈祷詐欺でマカオの高齢者女性から金品を詐取したとして中国人(中国本土居民)の男女5人を逮捕したと発表。 同局によれば、同月20日午前、被害者がマカオ半島北区を歩いていた際に見知らぬ女から「名医を知らないか?」と声をかけられ際、別の女が現れ「知っている」と回答。会話の流れから3人で”名医”のところへ行くことになり、途中で2人の女から個人情報や家族のバックグラウンドについて質問を受けたという。しばらくしてビルの屋上に到着したところ、男1人ともう別の女が1人おり、この男が名医の孫を名乗った上、被害者の家族に災いが起こると指摘し、祈祷のため自宅にあるネックレスと現金を差し出すよう要求。また、この自称名医の孫が屋上で出会った女にも同様の話をし、女が相手に金品を差し出したのを見て、自宅から約13万パタカ(日本円換算:約260万円)相当の金品を持ち出して来た後、相手の指示に従って供物とペットボトルの水が入った黒色のビニール袋の中に入れてから身体の向きを変えて祈り、儀式が終わってからビニール袋を手渡されたが、自宅に戻って袋の中を確認して金品がなくなっていることに気づき、詐欺に遭ったとして警察へ通報するに至ったとのこと。 通報を受けた同局がすぐに捜査を展開し、容疑者5人を特定。同日夕方、マカオ半島新口岸地区にあるホテル内で全員を逮捕すると同時に、所持品の中から被害者のネックレスと現金を発見。同局の調べに対し、4人が犯行を認め、被害者へ最初に声をかけた女1人が調査への協力を拒否したが、同局では捜査で得られた情報を総合的に判断し、全員を巨額詐欺罪で検察院送致する方針とした。 本件を受け、同局は街頭での見知らぬ人物からの声がけには十分に注意してむやみに金品を差し出さないこと、大量の金品を持ち出す際には一旦落ち着いて考え家族にも相談することが肝要であり、詐欺が疑われる状況に遭遇した場合は速やかに警察へ通報してほしいと呼びかけた。