最下位・鳥栖は3バック布陣で奮闘も3失点…悔やむ木村誠二「五輪から帰って1勝もできていない」
[9.13 J1第30節 川崎F 3-2 鳥栖 U等々力] パリオリンピックでの成長を示せず、悔しさをにじませた。サガン鳥栖DF木村誠二は守備の要として最終ラインに立ちはだかったが3失点。「最低でも2-2の状態で引き分けで終われる試合だった」と肩を落とした。 【動画】好機再びの山田新が後半AT劇的決勝ゴール 1失点目はディフレクションで、2失点目は隙を突かれたクイックリスタートから、3失点目はアンラッキーな形から失点を招いた。敗戦に変わりはないが、木村は収穫と課題の両面を語った。 「流れの中でやられたというのはなかった。守備の組織としての形づくりは、本当に少しだけ手応えも感じつつも、やっぱりそういう個人のところで集中力、全体のバランスだったり、そういうところはまだまだ足りないところがたくさんある。そこはもっと改善しないと、また今日みたいに3失点の試合になる」 8月に川井健太前監督が退任し、その後は木谷公亮テクニカルダイレクターが指揮を執った。システムを3バックに変えながら、9月の中断期間へ。「全体のスライドとか縦ずれとか、どうやって守備をしたいかというのは、強度の高い練習でかなり(木谷)監督のやりたいことを落とし込めた」(木村)。中断期間明けの川崎F戦では、またしてもあと一歩で勝ち点を取り損ねたが、時間をかけて守備の形は整ってきているようだ。 個人のところでは、8月初めまでパリオリンピックを戦ってきた。しかし熾烈な戦いを経たからこそ、木村は自身にふがいなさを感じている。「オリンピックから帰って1勝もできていない。無失点に抑えられた試合もないし、全然貢献できていないなと。チームに対して何かいい影響を与えられているか、あまり手応えは感じられない」。責任感ゆえに自身を奮い立たせていた。 3バックの中央から声を張った。GK朴一圭から言われた「おまえが前を動かさないといけない」という言葉を胸に、木村は「もっともっと声の数は増やせる。声の出し方とか、伝えやすい言葉にもなる」と伝える意識を高めている。「そこもコミュニケーションを取って、どういう発言をしたほうがいいか、(味方に)合わせて変えていけたら」。できることをひとつずつ増やし、残留への力に変えていくつもりだ。