建築士と絵画修復士の30代姉妹、谷崎潤一郎ら文豪が愛した料理旅館を継承…奈良「むさし野」
薄暗かった浴室の天井にヒノキ、洗面台にスギの板を使い、明るくぬくもりのある空間に変えた。ヒノキ風呂から、若草山の眺望を楽しめるよう窓を大きくした。
書道の教師免許を持つ晶子さんは、手書きで館内の案内表を作成したり、料理や素材について説明した冊子「料理のてしごと」をしたためたりしている。実穂さんは、イタリア語などの語学力を生かして、インバウンドの接客に生かしている。それぞれの能力を発揮し、おもてなしを充実させている。
2人は「一緒に旅館を支えている環境に感謝している。長い歴史に培われてきたむさし野の魅力を多くの人に満喫してもらいたい」と気持ちを新たにしている。