お土産はネズミだけじゃないのよ…飼い主が絶叫する猫さまの得意技とは【仏】
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第245回目はシャトィユ(Chatouille)さまの登場です。 【画像】チュ♡ ヨットの上でハチワレ猫さまとキスしている猫さまの姿はコチラ
瀕死の状態から救出された猫さまの物語
【フレンチ猫さま】vol.245 猫さまの話をもっと聞かせて! シャトィユさまは5歳の女性猫さま。 <シャトィユさまが語ります> 私は自然たっぷりの広い庭(2600㎡)がある150㎡の古民家(1800年築)に住んでいます。日中はソファか部屋で寝ていますが、気温に応じて庭の日陰や日なたで寝ていることもあります。 夜になると、家を出たり入ったり、食事をして、入っては出て…という時間を過ごします。1~2時間おきに鳴いて飼い主に存在をアピールします。庭の一番遠いところにいても、飼い主たちがドアの前に立って「ご飯だよ」という魔法の言葉を言うだけで、私はトリプルギャロップ(ものすごい速さという意味)で帰宅します。 もちろんここの庭は狩猟に適していて、ネズミやトガリネズミが出たり、トカゲなどを追いかけることができます。特技は、外から小さなネズミを連れてきて家の中で遊んで、それを家具の下に逃がす(隠す)事です。もうひとつの特技は、夜に部屋の出窓の前に立って、誰かが起きてドアを開けてくれるまで叫び続けることです。 <飼い主から見たシャトィユさまとは> シャトィユは川の横の小さな道路の脇で見つけました。生後2~3か月で、とても痩せていて、とても汚れていて、とても怖がっていました。非常に大きな声で鳴き、私たちにスリスリしに来て、助けて欲しいと懇願していました。体毛はすべて炭化水素がくっついていて、毛並みは非常に薄く、そのうえ怖がって震えていて、たくさんの奇妙な動きをしていました。 救助のために彼女を保護しましたが、彼女は草の中から出るのが怖かったようです。 今ではシャトィユは少しぽっちゃりしたとても「美しい」猫で、いつも完璧に自分で身繕いをして、いい香りが漂っています。見た目、柔らかさ、上品な香り、そして究極の清潔感、彼女は、自分が「通り」から連れ去られ、救われ、世話されたことを決して忘れていないと思います。彼女は私たちが近くにいてもいつも落ち着いていて、私たちとのスキンシップをよく求めます。 シャトゥイユはとても特徴的な性格をしています。彼女は私たちのとても近くにいて、私たちが庭に入るとすぐに後を追いかけ、頻繁に私たちの脚をさすりに来ます。そしてうつ伏せになって横たわるのです。私たちの足元でお腹を寄せてきて私たちにいつも話しかけてきます。 夏の間、シャトィユはヨットに乗ると決して下船せず、甲板の上を歩き、鳥、魚、アヒルを観察します。私たちが航海するときは喜んでいますが、唯一エンジンをかけるときは嫌がります。同じく家では掃除機をかけたり、芝生トラクターを使ったりするのが大嫌いです。 シャトゥイユと私たちにとって最も楽しい思い出は、彼女を発見した事と瀕死状態から救出できたことです。そして今、私たちが一緒にいて彼女と共有するすべての時間が幸せです。 独立心が強いことで知られるこの動物が、私たちのそばにいることをとても喜んでいる様子を観察する幸福。シャトゥイユから感謝されて我々もそれに応える関係が深い絆になっているのです。 ーーもしもあの時出会っていなかったら…。人気のない田舎道でシャトゥイユさまは、誰の目にも止まらないまま死を迎えたかもしれません。飼い主のたくさんの愛を浴びて今では貴婦人のような女性になったのも、もしかして飼い主の魔法だったのかもしれません。 著者情報 松永学 猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!
matsunaga manabu