「この20年、気持ちが晴れたことはない」新生児取り違え被害者、“生みの親”を探し続けた孤独な戦い…「3億円の損害賠償請求」に「約10万件の名簿購入」も
都内在住の江藏智さん(66歳・男性)は、46歳のときに両親と血縁関係のない“新生児取り違えの当事者”であると判明した。以来20年間に渡って、戸籍や名簿をたどるなどして実親を探し続けている。気づけば実親が生存しているかの確証が持てないほどの歳月が経過した。それでもなお、微かな希望を求めて奔走する本人に話を聞いた。 【画像】衝撃のDNA鑑定の結果とは…
「父はO型、母はB型、私はA型」
「両親と血縁関係がないと告げられて以来、普通に日常生活を送っていても、常にどこか欲求不満というか気持ちが晴れないんです。もしあのとき、取り違えにあわなかったら『これまでとまったく違う人生を歩んでいたかもしれない』と想像が付きまとい、毎日がどこか上の空です」 ある日突然、両親との間に血縁関係がないと告げられたら、その瞬間なにを想い、その後どのような生活を送るだろうか。 新生児取り違えの当事者である江藏智さんは、20年に渡り実親とその親族を探し続けている。自分の出自や、実親や親族がどのような人生を送ってきたのか、自身のバックグラウンドを知りたい一心で真相を追い求めた。 新生児取り違えの疑念が生まれたのは1997年にさかのぼる。母親が更年期障害で血液検査をした際、これまでA型だと思っていた血液型がB型であると判明した。江藏さんはA型、父はO型、そして母がB型と発覚したことで、一家には暗雲が立ち込めた。 しかし、当時DNA鑑定は200万円ほどかかることもあり、江藏さん一家はそのことに蓋をするように今までどおりの生活を送ってきた。 それから7年後の2004年。ふいに事態は動いた。江藏さんが体調を崩したことを機に、DNA鑑定を受けることに。かかりつけの担当医に、「両親と血液型が違う」と話したところ、その事例に関心を持った担当医が、無料でDNA鑑定を受けさせてくれる運びとなったのだ。 江藏さんは二つ返事でDNA鑑定を受けた。江藏さん自身、両親との血縁関係があってほしいと願う一方で、どこかに実親が存在しているのではないかとの期待感に近い感情も持ち合わせていた。
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