村上春樹 自分の葬式でかける音楽のプレイリストは作らない!?「もう静かにしていたいですね」
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。7月28日(日)の放送は「村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~」をオンエア。 当番組では、いつもはリクエストやお便りを紹介していませんが、毎回放送後に村上DJ宛にリスナーからたくさんのメッセージが届きます。今回はその中から、いくつかのメッセージを村上DJが選び、音楽とともに紹介しました。 この記事では、リスナーから届いたメッセージを紹介したパートをお届けします。
「カタカタみしん」さん、神奈川県48歳の女性 からの質問ですね。 「村上さん、こんばんは。村上さんが亡くなったら太宰治の桜桃忌みたいにナントカ忌と名付けられて俳句の季語になるのではないでしょうか。もし自分で名付けて良いなら、ご自分の命日を何忌と命名したいですか? 亡くなる話なんてしちゃってすみません。出来るだけ遠い将来の話になりますように。それが全ての村上主義者の願いです」 僕が死んで、その命日が季語になるとはとても思えませんが、もし名付けていただけるなら、「眠り猫忌」なんかがいいですね。でもこれじゃ季語にならないか。猫は年中寝ていますから。うーん、なかなか思いつきません。適当に名前をつけてください。 もうひとつ葬式ネタ。宮崎県のまーちさん、36歳女性からです。 「最近、自分の葬式で流す音楽のプレイリストを作り始めました。まだまだ死ぬ予定はありませんが、悲しみの最中、家族に音楽のチョイスで負担をかけたくはないし、この世の最後の音楽は自分で選びたいと思っています。村上さんは最後に聞きたい音楽はありますか。私はThe Beatlesの『Here, There and Everywhere』は入れたいと思っています」 僕はずっと音楽を聴いて生きてきたので、死んだらもう静かにしていたいですね。しーんとした中で、のどかに眠りたい。というわけで、僕のお葬式の音楽のプレイリストはありません。もしいつか遠い将来に僕が死ぬようなことがあったら(たぶんないと思うんですけど)、みなさんで適当に好きな音楽を流して故人を偲んでください。この番組のテーマ「マディソン・タイム」なんかいいかもね。めえ~(羊谷さんの声)。 (TOKYO FM「村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~」2024年7月28日(日)放送より)