堀江貴文「この先はオルカンより日本株が有望だ。目一杯自社株買いしてきたアメリカ株は限界が近い」
アメリカの上場企業の多くは、さまざまな株主還元策を積極的に駆使することで爆発的な成長を目指す。なかでも盛んに行われているのが「自社株買い」である。 自社株買いとは、企業がみずから発行した株式を、みずからの資金で買い戻すことをいう。買い戻されたぶん市場に出まわる株式が減るため、株価は上昇する。自社株買いは配当金とならぶ株主還元の柱のひとつである。 2024年における、S&P500構成企業の自社株買い総額は、実に9250億
ドル(約140兆円)にのぼる見通しだ(前年比13%増)。ちなみに日本の国家予算は約110兆円(2024年度)である。 ■オルカンの約6割はアメリカ株で構成 アメリカ企業は自社株買いに膨大な資金を投じながら、拡大路線を突き進む。でも果たしてそれは今後も持続可能なのだろうか。しかもそのスケールは年々膨らむばかりだ。そろそろ限界を迎えてもおかしくないだろう。じきに成長のポテンシャルが尽きてもなんら不思議ではない。私はそう見ている。
オルカンやS&P500の成長余地は狭まっていると考えるのが妥当だ(オルカンもその6割がアメリカ株だ)。一方であなたの資産運用はこのさき何十年も続く。アメリカ株に過度な期待は寄せないほうが身のためだ。 冷静に世界を見渡してみよう。このさき有望な投資先はどこか? 大きな成長余地が見込める投資先はどこか? そう、答えは簡単だろう。それはあなたが暮らすこの国だ。日本株である。 日本企業は長らく株主を軽視してきた。「失われた30年」とは、大企業が目先の自己利益ばかり追い、投資家を遠ざけ、企業価値の向上を怠ってきた時代だった。しかしその暗黒時代は終わりを迎えようとしている。
いま日本の株式市場(東京証券取引所)は健全な投資家ファーストに変貌している最中だ。企業は長年の悪弊を断ち切り、株主重視の経営に生まれ変わる道を模索している。つまりこれまで企業価値向上にまともに取り組んでこなかったがゆえに、大きな成長余地が見込めるのだ。日本株はきっと飛躍的に成長していくだろう。 ■日本株はポテンシャルに対して割安 日本は超高齢化社会に突入した。いまや日本人口の5人に1人が75歳以上の後期高齢者だ。これから日本はますます労働人口が減少する。だから日本経済は縮小するのだと悲観する意見もある。でもそれは誤りだ。もはや人口で稼ぐ時代は終わった。いまはAIやロボットの技術革新こそが経済の成長ドライバーである。
そもそも日本企業が持つ技術力と開発力は世界屈指だ。くわえて日本の政情はきわめて安定している。 資本主義経済は拡大再生産する仕組みであり、世界経済は長期的には確実に成長する。だからオルカンやS&P500でも、お金はそれなりに増えるかもしれない。 でも日本株のほうがはるかに魅力的だ。いま日本企業のポテンシャルに対し、株価は割安である。もし個別株投資に抵抗があるなら、日経平均株価連動のインデックスファンドがおすすめだ。長期運用により、満足できる成果を得られる可能性が高い。
堀江 貴文 :実業家