転職するなら知っておきたい「フレックスタイム制」…いまさら聞けないメリデメ総ざらい
フレックスタイム制の仕組み
フレックスタイム制には、清算期間・コアタイム・フレキシブルタイムと呼ばれる決められた期間や時間帯が存在します。 ▽清算期間 清算期間とは、従業員が労働すべき時間を定める期間のことです。従業員は清算期間内で総労働時間を満たすよう、日々の労働時間を調整します。 清算期間の上限は、3カ月です。以前の上限は1カ月でしたが、2019年の労働基準法改正によって3カ月に延長されました。上限が緩和された理由は、月をまたいだ労働時間の調整を可能にすることで、フレックスタイム制の柔軟性をより高めるためです。 たとえば清算期間内に繁忙期と閑散期が存在する場合、繁閑を考慮して総労働時間を調整できます。労働時間を上手く調整すれば、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすくなります。 ▽コアタイム コアタイムとは、すべての従業員が労働しなければならない時間帯のことです。業務を円滑に進めるために設定されます。 コアタイムがないと、従業員ごとの労働時間にバラつきが生じ、業務内容によっては業務に支障を来す可能性があるためです。 ただし、コアタイムの設定は任意なので、企業によっては設けていないケースもあります。 ▽フレキシブルタイム フレキシブルタイムとは、従業員が出退勤の時間を自由に決められる時間帯のことです。 たとえば、フレキシブルタイムが6時から8時、17時から20時に設定されている場合、従業員は6時から8時の間で出勤し、17時から20時の間で退勤することが可能です。 フレキシブルタイムを活用すると、通勤ラッシュを避けるために朝は遅めに出勤する、子どもを保育園に迎えにいくために夕方は早めに退社するといった働き方が実現できます。 フレキシブルタイムも任意なので、設定しない企業もあります。
【最新版】フレックスタイム制を採用する企業の割合
フレックスタイム制は1987年の労働基準法改正により、翌年の4月から正式に導入されました。導入から30年以上が経過しているものの、導入率は決して高いとは言えません。 厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査結果の概要」によると、フレックスタイム制を採用している企業の割合は6.8%だったことがわかっています。 また、フレックスタイム制の導入率は、企業規模によって大きく差があります。 従業員を1,000人以上抱える企業の導入率は、全体の平均を大きく上回る30.7%でした。導入率は企業規模が大きいほど高く、小さいほど低い傾向にあります。 ※出典元:「令和5年就労条件総合調査結果の概要」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/dl/gaiyou01.pdf) 「第8表 変形労働時間制の有無、種類別採用企業割合 」