【NFL】悪夢のようなルーキーシーズンを乗り越え、再起を図るパンサーズQBヤング
クオーターバック(QB)ブライス・ヤングが自信を欠いた状態で2024年シーズンを迎えたとしても、誰もヤングを責めることはないだろう。2023年ドラフト全体1位で指名を受けたヤングのルーキーシーズンは、ヤングの父親が『ESPN』に話したように“ひどい”ものだった。しかし、ヤングは20年間メンタルヘルスセラピストとして働いた父と、特殊教育に携わる教師である母、そして心理学者の祖父に育てられたおかげで、自分を支え続けてきた類いまれなスキルを備えている。
ヤングがアラバマ大学で心理学の学位を取得したのも不思議ではない。その知識を武器に、ヤングは悪夢のようなルーキーシーズンで直面した困難に対処する術を心得ており、その経験さえも自分にとっての財産として生かしている。
『ESPN』によると、ヤングは「それは俺のこれまでの人生を助けてくれた。良いことも悪いことも、ささいなことも含めて、自分の内面では問題ないようにしておく。幸運なことに、ずっとそれを意識して生きてきたから、物事を区分して、健康的な習慣を身につける練習をたくさんしてきたんだ」と語ったという。
デイブ・カナルスがヘッドコーチ(HC)に就任したことで、ヤングはパンサーズで自分が中心的な役割を担うようになってきたと感じている。苦難を乗り越えたヤングには、今や信頼できる――そして落ち着きのある――コーチがいるのだ。
ヤングはカナルスHCの気質について「建設的だ。何かを見逃したり、間違えたりしたこときに、“基本を整えよう”という具体的な指示をくれる。それは考えて実践できるものなんだ。本当にいい影響を与えてくれているよ」と言及。
2023年にすべてが崩壊していったとき、ヤングには頼れる人がいなかった。フランク・ライク元HCは11試合が終わったところで解雇され、オフェンシブライン(OL)はヤングを守ることができず、ヤングが一人ですべてを背負うには責任が重すぎることが明白となったのだ。