AMDが発表した新作CPUまとめ【Ryzen】
9955HX3Dがやばそう…? 2025年1月7日、AMDが家電見本市「CES」にて基調講演を行ない、ゲーミング向けの新しいCPUがいくつか発表となっています。米Gizmodoのカイル・バールがうまくまとめてくれているので、翻訳してご紹介します。 【全画像をみる】AMDが発表した新作CPUまとめ【Ryzen】 今年のAMDは、ハイパワーなZen 5世代のRyzen 9 X3Dチップで最上位のゲーミングPC向けCPU市場を狙い、RDNA 4ベースのRadeon RX 9700シリーズでNVIDIAのミドルレンジGPU製品と競合する…といった感じっぽいですね。 (ハイエンドGPUの領域でAMDがNVIDIAとやりあうつもりなのかについては…まだしばらく情報を待つ必要がありそうです)
ハイエンドなデスクトップ向け2種が発表に。やばそうなノートPC向けCPUもチラり
新たに発表された主な新CPUは、Ryzen 9 9900X3Dと9950X3Dです。 前者は12コア・24スレッドで最大ブースト5.5GHz、キャッシュ容量140MB。新たなコンシューマー向け最上位CPUである後者は16コア・32スレッド、周波数5.7GHz、キャッシュ容量144MBを備えています。 また、新しいノートPC向けチップ「Ryzen 9 9955HX3D」は注目に値します。ハイエンドのデスクトップCPUと同じコア数・スレッド数・TDPを持ち合わせているのです。 性能はどんな感じ?→大幅強化 Ryzen 9 9950X3DはZen 4世代から大幅に強化され、『ホグワーツ・レガシー』や『Warhammer 40,000: Space Marine 2』などのゲームでは、Ryzen 9 7950X3Dと比べて20%以上のゲーム内パフォーマンス向上を見込めるとのことです。ただ、『Black Myth Wukong』や『Cyberpunk 2077』では両チップの差はあまり大きくないようです。生産性系ベンチマークでは差がより顕著で、Geekbench 6で13%、Cinebench 2024で16%のスコア向上が見られるとのこと。 一方、Intelの最新Arrow Lakeデスクトップチップは、ゲーミング性能で第14世代CPUと比較しても苦戦しているようです。AMDの提供するベンチマークによれば、Intel Core Ultra 285Kをさまざまな程度で上回るとのことで、『ファイナルファンタジーXIV』で最大41%、『FarCry 6』で45%高いフレーム数を得られる可能性があると主張しています。ただし、IntelもCore Ultra H-/HXシリーズとしてArrow Lakeアーキテクチャの新バージョンを発表したばかりで、今後さらに厳密な比較検証が待たれます。 ハンドヘルドゲーミングPC用CPUにも新型 AMDのRyzen Z1はハンドヘルド向けのRDNA 3チップとして人気ですが、AMDはすでに次世代「Ryzen Z2」が近いうちに登場すると明らかにしました。 最上位のZ2 Extremeは依然としてRDNA 3をベースとし、8コア・16スレッド、最大5GHzの周波数を実現します。標準のZ2(15~30W TDP)に対してZ2 Extremeは15~35WのTDPに対応し、“Extreme”の名を示すようにグラフィックコアを合計16基搭載するとのこと。さらに、Z2 Goというより軽量な4コア・8スレッド、最大4.3GHzブーストのチップもラインナップされ、LenovoのハンドヘルドPC「Legion Go S」に搭載される可能性があります。 AMDはLenovoのLegion Go、AsusのROG Ally、さらにはValveのSteam Deckまでもが、2025年にはZ2 Extremeを採用するかもしれないと示唆しました。現行のSteam DeckはZen 2ベースのカスタムチップを採用しているため、今後どのような形で世代交代していくのか注目が集まります。 訳注:Steam DeckへのZ2搭載についてはValveが否定的という情報もあります。AMDの公式発表は記事通りであったようなので、注記するにとどめております。 発売はデスクトップ向けが「3月までのどこか」 今回発表された2つの新しいデスクトップ向けチップは、2025年の第1四半期に登場予定です。ノートPC向けHX3Dは2025年の上半期とのみ言及されており、今年のゲーミングノートPCに搭載されるまでには、まだ時間がかかりそうです。