レッツノート FV5レビュー - 日常使いで役立ちそうなCore Ultraの性能と3:2のディスプレイ
■14型なのにコンパクト。日常使いでもAI機能が役立てそう Let'snote FV5のユニークなところは、(これまでのFVシリーズと同様に)「14型なのにコンパクト」なことだろう。ディスプレイのアスペクト比を3:2とすることで、同じ14型でも16:9や16:10のモデルと比べると本体の幅も奥行きも短くできる。 ただ、14型ディスプレイからイメージする2,560×1,440ドット(WQHD)や2,560×1,600ドット(WQGA)のような高解像度と比べると、表示情報量は少なくなる。この辺りは携帯性と画面視認性のトレードオフになる。 Core Ultra採用PCで訴求ワードとなる「AIへの対応」だが、2024年5月段階ではやはり「“AI PC”だからなに?」とならざるを得ない点が難しいところだ。 ただ、ローカル環境でのAI演算に対応したソフトウェアの開発は進んでいるのに加えて、AI演算に限らず同様な行列演算や並列処理を求められるソフトウェアでも日常的(もしくはバックグランド的)に利用する用途では、NPUで演算させることで消費電力が抑制できる効果も考えられる。 具体的には、ビデオ会議ユーティリティですでに利用されている「Windows Studio Effects」と「Intel AI Boost」による背景ぼかしなどがあるが、それ以外でも例えば、暗号化復号化処理などでも大量の演算リソースを常時消費しつつ、消費電力を抑制することが、NPUによって可能になる。 AI活用というと大規模言語モデルが利用できる環境とミドルウェアが必須で、それが利用できない状況においてCore Ultra世代CPUの存在価値を見出すのが難しいと思いがちだが、意外と「日常使いのアレコレ」でモバイルノートPCにおけるCore Ultraの価値が出てくるのではないだろうか。
長浜和也