餃子の王将、日高屋に“王手” 首都圏300店殴り込みへ
■「餃子の王将」女性向け、シニア向けメニューも 同社は、首都圏への本格攻勢を前に、顧客層の拡大も図っている。現在、王将の主なお客は30~50代の男性。「王将は“がっつり”というイメージ。シニアや女性は一人前を平らげられない人もいる。少量多品種のニーズにも応える」として、量を減らした小皿料理の提供も始めており、周到な準備に抜かりはない。 迎え討つ日高屋は、2014年6月末現在、首都圏の1都4県で321店舗。この数字は、王将が今後出店を予定する店舗数とほぼ同じ。同社は、首都圏に特化して展開しているだけに、絶対に負けられない戦いのはず。同社はこの王将の進撃をどう捉えているのか?担当者は「特に感想はない。他社さんの戦略に対して、うちから何にも申し上げることはない。王将さんは、ライバルというか先輩の会社」と努めて関心のないそぶりを示す。その素っ気なさは、11期連続で過去最高益を更新し続けている自信の表れか、それとも逆に王将への過剰な意識の表れなのだろうか。 ■「日高屋」も対抗 首都圏に600店舗 日高屋は、時期は明示していないものの、中期的な目標として「600店舗」の出店を掲げている。ただ、穴熊さながらに、首都圏の外に討って出る予定はない。現状では年間に30店舗ほど出店しており、このペースだと7、8年で600店体制を達成することになる。この店舗増を支えるため、同社の行田工場は、2013年10月に増設工事を完了。これで600店舗へ供給可能な体制は整った。 日高屋の創業者・神田正会長は、過去の新聞で「王将の近くに出店すればもうかる」と語った言葉も報道されている。両店が近接すれば、客を食い合うというより、むしろ相乗効果で売上を伸ばしたこともあったようだ。だが、外食市場が少子化などで縮小していく中、その図式が今後成り立つ保証はどこにもない。両者激突の行く末に、注目が集まる。 (文責・坂本宗之祐)