〔東京外為〕ドル、158円台前半=リスク回避と押し目買い交錯で(9日午後5時)
9日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の大幅安を受けたリスク回避のドル売り・円買いと、ドルの押し目買いが交錯し、1ドル=158円台前半を中心にもみ合った。午後5時現在は、158円18~19銭と前日(午後5時、158円10~11銭)比08銭の小幅ドル高・円安。 東京時間の早朝は、158円20~40銭台で推移した後、調整売りや国内長期金利の上昇などを受けた売りが優勢となり、午前9時すぎに158円10銭前後に軟化。仲値公示にかけて実需買いが入り、158円30銭台に持ち直したが、その後は米長期金利の低下や日経平均株価の大幅安を受けたリスクオフのドル売り・円買いなどに押され、正午にかけて157円90銭台に水準を切り下げた。 午後も軟調に推移し、いったん157円70銭台に続落。その後は押し目買いが入り158円10銭付近に値を戻したが、「リスク回避ムードが根強い」(外為仲介業者)ことから、158円20銭近辺では上値が重くなり、158円10銭前後で小動きとなった。 日銀が午後2時に公表した「地域経済報告」は「賃上げ動向が強弱入り交じる結果で、利上げを後押しする内容ではなかったため、やや円が売られた」(FX会社)との指摘があった。米国市場はカーター元大統領の国葬で株式が休場、債券が短縮取引となるため、ドル円は「動意に乏しい展開」(同)が見込まれる。10日に米雇用統計の発表を控えており、「積極的に動きづらい」(資産運用会社)との声も聞かれた。 ユーロは対円、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=162円79~81銭(前日午後5時、163円35~37銭)、対ドルでは1.0290~0291ドル(同1.0332~0332ドル)。