〈日本のメディアの大谷翔平報道は過剰すぎ?〉価値をむしろ下げるリスクも、問われる取材姿勢
歴史に名を刻む大谷翔平をどう報じていくか
打開策はあるだろうか。一例にデータジャーナリズムがあるだろう。これは、大量のオープンデータを解析し、可視化することで、埋もれていたニュースの価値を掘り起こす調査報道の一つである。 スポーツは蓄積された過去の記録との比較から、パフォーマンスの価値を見出すことが基本線にあり、親和性は高い。ただ、この手の記事には手間や時間を要する上、原稿そのものも長くなり、ネット上では「読まれにくい」記事に分類されるだろう。情報の大量消費の時代にはそぐわない面もあるが、だからこそ、記事の価値も高くなる可能性を秘める。 日本人の存在感を国際的に高め、メジャー史にも名を刻む稀代のスーパースターである大谷選手が現役時代にどう報じられたか。記事や映像は、資料として後世にまで残ることは間違いない。それゆえに、日本メディアの姿勢も厳しく問われていいのではないだろうか。
田中充