団体預金口座から193万7000円不正引き出し 茨城県副参事懲戒免 ローン返済に充てる
茨城県は9日、県立医療大の記念事業のため開設された任意団体の預金口座から計約193万円を不正に引き出したとして、県住宅課副参事で元同大事務局次長の男性(63)を懲戒免職にしたと発表した。同日付。ローン返済などに充てたとみられ、出金額分は発覚前に口座に入金ししていた。県は刑事告訴の方向で県警と相談中という。 県によると、男性は同次長だった2020年6月~21年3月までと、県霞ケ浦環境活動推進監だった21年4月~22年2月までの計1年8カ月の間、同大開学20周年(15年度)「記念事業準備委員会」の預金口座から、私的使用のため12回にわたり計193万7000円を出金したとされる。主に住宅ローンの返済に充てたとみられるという。 口座に入っていたのは同事業の残金。財源は卒業生や教職員の寄付金で、公金は含まれない。残金は同大の教育環境の整備などに充てられる予定だった。 来年度の30周年が迫ったことで、通帳の所在不明が今年9月に発覚。同大が過去の関係者への聞き取りを開始し、10月11日、男性から「通帳が見つかったので返却する」と電話があった。同30日に返却され、通帳の確認により過去12回の出金と、出金の合計額分が同11日に入金されていたことが判明した。 同大では通常、同次長でなく部下の職員が通帳を管理するが、男性は個人で管理し、異動後も同大に返さず所持を続けていた。 男性は22年3月に定年退職し、同4月から再任用。県は退職金の返納を求める方針という。
茨城新聞社