大阪・松井市長2020年度予算案発表会見全文(4)「基本的に吉村市政の継承」
市税が5年ぶりに減少しているのは国の税制改正によるもの
━━2問目ですけど、歳入の面についておうかがいします。市税が5年ぶりに減少に転じるということです。特に法税市民税の方はリーマンショック以来の減少の見込みとなると思うんですけど、一方で新型肺炎とか米中貿易摩擦で先行きが非常に不透明な中で大型の事業が多く続きます。収支の見通しが非常に立てにくくなってると思いますけども、現状のご認識と対応策があれば教えてください。 松井:まず市税が5年ぶりに減少しているのは国の税制改正によりまして、法人市民税のわが方の独自の税源が国にいったん召し上げられているからです。だから、国の税制改正の問題であり、市税が減っているのは大阪の景気が悪いとか、そういうものではありません。ようは大阪の経済状況が下振れして法人市民税が減ったわけではなく、国の税制改正で本来我々がいただけるべき税源が国に召し上げられたんで、ここはちょっと間違いのないように伝えたいと思います。それから、結果ですけども歳入全体ではプラスということになっております。市債残高、これについても縮減基調を維持しながら収支不足額についても昨年度の予算は105億でしたけども、ここから75億好転し、30億の不足、これにとどめることができました。しかしながら、まだまだ厳しい状況であることには変わりはありません。これは行財政改革をこれからも進めて、安定した財政基盤の構築を図る必要がある。まあ簡単に言うと少し良くなってきてるけどゆるまないということですね。ゆるむということになりますと、どんどんゆるんでしまいますから、ゆるめないという形でやってます。そういうことを考えて、今回の予算を反映した粗い試算を現在作成中であります。これは完成次第、公表をさせていただきますが、繰り返しになるけれども将来にも財政運営が将来にわたって健全なものとなるように徹底した改革の取り組みを着実に継続しながら財政運営をやっていきたいと思っているところです。 ━━おっしゃる通り、ほとんど今回の市税の減少というのは、ほぼ税制改正によるものだと思いますけども、ごく小規模ではありますけれども企業収益の減というのが見込まれているのも事実であって、これは今の現状のご認識では、その経済情勢の変化とかということではないということでしょうか。 松井:今年の予算についてはですね、今の僕の感覚では今年の成長は厳しいと思っています。それはなにかというと、まさにこの新型コロナですよ。これがやはり昨年末からね中国で発症し、今この2月の半ばですけれども、ここまで拡大すると予想がつきませんでした。これはインバウンドのみならず、ものづくりのサプライチェーンにすごく大影響を与えております。今年上半期の大阪での企業の営業利益、それから企業の様々な活動については、大きな負担になると思っています。ただ、大阪市としましてはこれまでまさに負の遺産と言われているマイナスの借金ですね、これは負債等と含めて着実に計画以上に返済をし、財務状況の好転、よくしてますんで、この突発的な新型コロナウイルスでの経済のマイナスがあっても市政の令和2年度の市政運営は万全の体制で実施できるとこう考えています。