スマホのセキュリティー対策、70~80代の6割「自信ない」 シニア記者が対策のコツを聞く「ゴールはない、あるのは...」
セキュリティー対策には何をどこまでやるか、ゴールはない
――それを聞いて少し安心しました。【図表2】の各セキュリティー対策の項目は、私もやっていないのが半分以上あります。これを全部やるのは大変ですが、この中でも絶対にやらないといけない項目はどれでしょうか。 水野一成さん セキュリティー対策は、何をどこまでやればいいのか、難しいところがあります。それぞれの利用の仕方に応じ、できる限りのことをするのをお勧めします。また、今回の結果を見ていただき、ご自身の対策を見直す機会にもしていただきたいです。 ――私よりスマホを扱い慣れている妻(70代)は、画面ロックしていません。「見られて困るものはないから」と言い、私が画面ロックをしていると、「見られたら困る相手とLINEでもしているの?」と不審な目で見られます(笑)。そういう老夫婦も多いのではないでしょうか。 水野一成さん 確かに、ご自身としてはそのような認識の方もいると思います。ただ、スマホを落とした時、他人に好きなように操作されることがありますので、やはり対策はしていただいたほうがよいかと思います。
わからない時はスマホ教室に行くか、子どもに聞こう
――「最新のOSにアップデートする」ですが、頻繁にGoogleやLINEも含め、アップデートの通知がきます。しかし、いちいちパスワードを入れなくてはならず、面倒なうえ、ひょっとして個人情報を抜き取る「ニセメールではないか」という心配があります。正直にいえば、ほとんどアップデートをしたことがありません。 マイナカードの4桁の暗証番号さえ、メモにしてカードと一緒に入れているシニアも多いです。新しいパスワードを覚えるのが大変な2人暮らしのシニア夫婦は、スマホ教室に通ったほうがいいでしょうか。 水野一成さん そもそもアップデートが何のために行われるのか、分からない方もいると思います。また、不明なことに対して立ち止まる(実施しない)姿勢は、セキュリティー上、大切なことです。不安な時は、詳しいご家族やご友人に聞くことをお勧めします。 先に述べましたが、どこまでがゴールか、難しいのがセキュリティー対策。セキュリティーに不安があるシニアは、スマホの利活用にも自らブレーキをかけて、さまざまなサービスを無駄にしている調査結果が出ています。 つまり、安心・安全につながるセキュリティー対策を行うことは、スマホの積極的な利活用にもつながるのです。携帯電話会社や行政などが実施しているスマホ教室を活用することも、有効かと思います。心配な時は、ご家族やご友人、携帯会社などに相談することをお勧めします。 (J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)