「男女平等社会」が生んだ闇…令和に《無意識モラハラ夫》が急増している衝撃の理由
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第3回 『「その家事のやり方、非効率だよ」…妻を「人格否定」「洗脳」「奴隷化」する《無意識モラハラ夫》のヤバすぎる実態』より続く
「家庭を壊さなければ外で遊んでもいい」
私は昭和の生まれですが、かつての日本社会は男性の不品行に対していまよりも寛容でした。 先述の通り、昔の離婚相談といえば「夫の不倫」が理由の大半で、愛人から「私と奥さんとどっちを選ぶの」などと言われて、仕方なく離婚を選択する、といったケースがよくありました。 社会の価値観としても、「一生懸命働いて稼いでいる男性が、家庭を壊さない範囲で割り切って遊ぶのは問題ない」とされがちでした。離婚相談に来る人の中にも、割り切って愛人と遊んでいる人がたくさんいました。 しかし、最近そういう人は減った印象があります。 中高年の実質賃金が減り、遊ぼうにも自由に使えるお金があまりないというのも一因かもしれません。 また、社会全体の倫理観が厳しくなり、「家庭を壊さなければ外で遊んでもいい」という考え方は否定される傾向になりました。
蓄積されていくストレス
ただ、男性を浮気に走らせていた背景に存在したストレスがなくなったわけではありません。むしろ、社会や技術の進歩により、会社で求められる仕事はより複雑で高度になり、仕事のストレスは増えています。 女性の社会進出が進み、共働きが当たり前になっています。家事は平等に分担するのが当然で、仕事から帰ってもくつろぐ暇がありません。 こうして蓄積されたストレスを、ついつい家庭で爆発させてしまい、「モラハラ」に走ってしまう人が増えたのかもしれません。 『男はつらいよ…自信満々に夫を《断罪》する“モラハラ妻”の出現で離婚急増中!その「ありえない振る舞い」 とは』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)