京都工学院 伝統の赤黒ジャージーで花園帰還! 「伏工魂」とともに 全国高校ラグビー27日開幕
伝統の赤黒ジャージーが帰ってくる――。第104回全国高校ラグビー大会はきょう27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。9大会ぶり21度目の出場となる京都工学院(京都)は、1回戦で聖光学院(福島)と対戦する。前身の伏見工が16年に洛陽工と統合されて現校名になってから初めての聖地。ノーシードだが、燃える“伏工魂”で上位進出を狙う。 花園に帰るだけで満足はしていない。9大会ぶりに出場する京都工学院の選手たちが、開幕を目前に控えても真っ暗になるまでハードな練習で汗を流し続けていた。伏見工時代に4度の全国制覇を成し遂げ、目指すのはもちろん頂点だ。3度目の全国制覇を果たした2000年度の主将で、19年から母校を指導する大島淳史監督は「ひたむきに戦って、感動してもらえるラグビーをしたい。それが伏見の良さだし大事にしたい」と勝負を見据えた。 かつて平尾誠二、大八木淳史らを擁して聖地を席巻。近年は京都成章の前に屈して全国への道を絶たれていたが、高校日本代表候補のFB広川陽翔主将(3年)らには期するものがあった。「自分たちの代でけじめをつけたい。学校名は変わったけど、伝統と歴史のある学校。それを自分たちで復活させたい」――。新チームになってから最上級生で話し合い、今年度のスローガンは「PRIDE」に決まった。 持ち味の展開ラグビーを磨き上げるだけでなく、春先からディフェンスにこだわってきた。京都府決勝では、京都成章に10―8で競り勝った。歓喜を爆発させる選手たちを見て、人気ドラマ「スクール☆ウォーズ」の主人公のモデルとなった山口良治総監督もスタンドで涙を流して喜んだ。ただ、そこがゴールではないことは誰もが分かっている。花園に向けて強豪校との合同練習なども重ね、さらなる強化を図ってきた。 京都市内の同校グラウンド脇には「PRIDE」とともに「信は力なりの追求」という文字が刻まれている。京都府決勝の前日ミーティング。メンバー外の選手たちが涙を流しながら「明日の試合、頑張ってほしい」と思いを託す姿を見て、伝統が受け継がれていることを大島監督は確信した。1回戦で聖光学院と対戦。勝てば2回戦でBシードの中部大春日丘と激突する。赤黒のジャージーに身を包み、互いを信じて一戦必勝で臨む。 (西海 康平) ▽京都工学院 伏見工と洛陽工が統合し、2016年に開校。今年で9年目を迎える。生徒数は男子593人、女子80人。学科は、フロンティア理数科(進学型専門学科)とプロジェクト工学科(工業科)。前身の伏見工ラグビー部は1959年創部。冬の全国高校ラグビー大会に20度出場し、優勝4度。主なOBは、故平尾誠二氏、大八木淳史氏、北川俊澄氏、田中史朗氏、松田力也(リーグワン1部トヨタ)ら。