ホラー・オカルト・ラブコメ・ギャグ…なんでもありの『ダンダダン』ならではのバランスの秘訣とは?【若山詩音・花江夏樹インタビュー】
集英社のマンガ誌アプリ「ジャンプ+」にて2021年4月より連載されている『ダンダダン』。「ジャンプ+」史上初めて新連載が2話連続100万PVを突破、コミックスの累計発行部数も400万部を突破している人気作だ。 【映像】キャスト陣出演の『ダンダダン』振り返り特番 2024年10月よりTVアニメが放送されており、アニメーション制作のサイエンスSARUによるこだわりの映像演出や、モモ<綾瀬桃>役の若山詩音、オカルン<高倉健>役の花江夏樹をはじめ水樹奈々や田中真弓といった豪華キャスト陣の共演も話題を呼んでいる。 『ダンダダン』の魅力の1つに、宇宙人や怪異、妖怪が登場するホラー・オカルトテイストをベースにしつつも、王道的なラブコメや迫力あるバトル、妖怪たちのバックボーンとしてエモーショナルなストーリーが描かれるなど、さまざまなジャンルの要素が非常にバランスよく取り入れられ、本作ならではの世界観を形作っていることが挙げられる。 オカルンのようにオカルト要素が好きな人だけではなく、さまざまな趣向を持った読者・視聴者を魅了することで、多くの人に支持される人気作となった所以になっているだろう。 原作漫画を手がける龍幸伸氏の才能がいかんなく発揮されているという前提も踏まえつつ、若山と花江へのインタビューにて、アニメ『ダンダダン』ならではのバランスの良さについて話題を振ってみた。 若山は「龍先生が凄すぎてまだ理解ができてない部分がたくさんあるのですが、随所に取り入れられている小ネタみたいな部分に懐かしさを感じることはあります。(昭和の時代に流行った)CMを元にしたセリフもありつつ、描かれている年代としては現代というところのバランスの良さがしっかりあるのが、本当に不思議ですね」と回答。小ネタというキーワードに対して、花江も見解を述べてくれる。 作中に散りばめられた小ネタに関して「(視聴者の)年代によって知っているものもあれば、知らないものもあると思いますが、知らなくても本筋は楽しめるようになっていて、散りばめられていることでこれは何だろうと調べてみる面白さもあると思います。今はレトロブームもあって、昭和なオシャレな感じをうまく取り入れていると思いましたね」と重ねる。 昭和と現代の融合という点では、Creepy Nuts(クリーピーナッツ)が歌うオープニング主題歌「オトノケ」も『ダンダダン』の話題性に大きく貢献しているだろう。現代のHIP HOPシーンを代表するCreepy Nutsと、昭和の特撮を彷彿とさせるオープニングアニメーションは、花江の言う昭和のオシャレな感じをうまく取り入れている象徴とも言えるだろう。 インタビューでは、花江から「昭和特撮的な要素は、僕も直撃世代ではないですけれど要素として感じ取れていたので、オシャレな要素だと思います」と述べられると若山も「ほかにも挙げ出したらキリがないほど、オマージュ的なキラリと光る懐かしい要素があって、すごく好きです」と同意する。 そうした要素は映像としても効果的に演出として取り入れられていることも、インタビューでは明かされた。第2話でモモとオカルンがフラットウッズモンスターと対峙する場面、黒を基調とした色彩で画面が描かれているが、登場する妖怪や宇宙人にはそれぞれ固有色が設定されており、場を支配しているシーンではその固有色が映像としても基調になるという。 若山は「山代監督がおっしゃられていたことなのですが」と前置きしつつ、「ターボババアの固有色が赤なので、変身したオカルンも赤に設定されているのですが、フラットウッズモンスターの固有色が黒となっているのは、ヒーローをヒーローとして(変身後のオカルンの固有色の)赤を映えさせて見せたいという意図もあるみたいです。そういったヒーロー感があるように見せるための演出もあって、放送の時に実際の映像を拝見して、素敵だなと思いました」と語る。 ホラー・オカルト要素だけではなく、昭和テイストの小ネタや要素を現代のアレンジも交えて多角的に取り入れていることで、漫画としてはもちろんアニメ独自の魅力を獲得している『ダンダダン』。本筋のストーリーを彩る、さまざまなトピックに注目しつつ、クライマックスに突入する残りの放送を楽しんで見てほしい。 (C)龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会 アニメ公式HP:https://anime-dandadan.com/ アニメ公式X:https://x.com/anime_dandadan 取材・写真・テキスト/kato
ABEMA TIMES編集部