米国上空で「火球」を多数目撃–正体は落下したスターリンク衛星
Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の衛星ブロードバンドサービス「Starlink(スターリンク)」の衛星が米国上空に火の玉として落下したことがアマチュア天文家から報告されている。 米国時間11月9日、コロラド、カンザス、テキサス、オクラホマの上空で明るい火球が出現したとの36件の報告が米流星協会(American Meteor Society:AMS)に寄せられた。目撃地点は主に、オクラホマシティとダラス・フォートワース地域に集中していた。 今回の火球は隕石の落下ではなく、SpaceXの「Starlink-4682」衛星だった。これは、2022年に打ち上げられた54機の「Starlink 4-23」ミッションのうちの一部。火球が上空で小さな破片に分裂したという目撃談も寄せられている。 天文学者や環境科学者からは、Starlinkの衛星が大気圏に再突入することで地球の大気に害を及ぼす可能性が指摘されている。海外メディアのSpace.comによると、衛星が燃え尽きることで有害な酸化アルミニウムが放出され、オゾン層にダメージを与え、太陽光を反射する能力を低下させる可能性があるという。
塚本直樹