サガン鳥栖のJ2降格にサポーターら「築き上げてきたものが崩れたような喪失感」「1年で戻ろう」
ついに、降格――。サッカー・J1リーグ戦で、京都サンガFCとのアウェー戦に敗れるなどし、来季のJ2降格が確定したサガン鳥栖。残留への望みをつなごうと声援を送ったサポーターらは、悔しさをかみしめながらも「サガンを応援し続ける」「1年でJ1へ戻ろう」と前を向いた。(緒方慎二郎、小林夏奈美) 【年表】サガン鳥栖のこれまでの歩み
サガンは、この試合に敗れれば、他試合の結果次第で、2012年のJ1昇格以来初めての降格が決まるという状況で敵地に乗り込んだ。序盤の10分に相手GKが退場して数的優位に立つも、流れをつかめず、65分に失点。その後も相手の堅守を崩せないまま、終盤の89分に追加点を奪われると、最後までゴールネットを揺らせずに力尽きた。
京都府亀岡市のスタジアムに駆けつけたサポーターらは懸命にチャント(応援歌)を歌ってチームを鼓舞したが、降格が決まると落胆の声が上がった。サポーター歴約20年という佐賀県玄海町の会社員(53)は「ショックが大きい」と肩を落とし、「悔しいが、体を張って頑張っている選手たちの姿を見て涙が出た。今後はこれまで以上に応援していきたい」と来季を見据えた。
仲間と共に観戦した同県鳥栖市の専門学校生(19)は「築き上げてきたものが崩れたような喪失感がある。J1に戻るために、もっとスタジアムや地域が一体となってサガンを盛り上げていかなければと思う」と話していた。
佐賀市のスポーツバー「CRON(クロン)」でもサポーターらが試合を見守り、試合終了後はため息を漏らした。小学生の頃からチームを応援し、アウェー戦にも足を運ぶという同市の会社員(23)は「もっと攻めて、チャレンジしてほしかった」と悔しがり、「地元チームなので降格しても応援する。なんとしてもはいあがってほしい」と願っていた。
サガン鳥栖の降格が決まったことを受けて、鳥栖市の向門慶人市長は「鳥栖市はホームタウンとしてこれからも地域の宝であるサガン鳥栖と共に歩み続ける。サガンを支えていただいている全ての皆様と、より一層熱く応援していく」とコメントした。
山口知事も「13年もの間、J1で戦い続けたことは称賛に値する。スポーツは人生と同じで、よい時もあれば苦しい時もある。1年でJ1に戻れるようオールサガンでチームを応援していきましょう」とするコメントを出した。