障害者就労事業の実態調査始まる 厚労省、自治体の指導状況も
今年春から全国で閉鎖が相次ぎ、障害者約5千人が解雇や退職となった就労事業所を巡り、経営実態や自治体の指導状況を調べる全国調査が厚生労働省の委託事業で始まった。事業所の閉鎖は、公費に依存して経営が改善されないケースを主な対象に国が報酬を引き下げたことが大きな要因で、報酬改定が適切かどうか影響も調べる。 来年3月に報告書をまとめ、自治体が事業所を新たに指定する際の注意点や、指導監査のノウハウをまとめた指針(ガイドライン)を作る予定。厚労省は調査結果を今後の制度づくりに生かす考えだ。 閉鎖が相次いでいるのは「就労継続支援A型事業所」。解雇の状況は8月に報道で明らかになったが、調査はその前から決まっていたもので、障害者の就労支援に詳しいコンサルタント会社「インサイト」(大阪市)が実施する。 自治体調査は全ての都道府県、政令指定都市、中核市が対象。事業所指定の際の審査や指導の状況を調べ、あるべき対応方法を検討する。
事業所については全国の4千カ所以上全てを対象に、ウェブで回答を依頼する。