核廃絶訴える「絶好のチャンス」 被団協の箕牧さんオスロに
【オスロ共同】ノーベル平和賞の授賞式に臨む日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表団には、受賞決定時に「うそみたい」と頬をつねってみせた代表委員箕牧智之さん(82)の姿もあった。戦争が続く世界で、非核化が進まない歯がゆさを感じる。今回の渡航を「世界に核兵器廃絶を訴える絶好のチャンスだ」と意気込む。 8日、オスロ郊外の空港に到着し、報道陣から世界へ発信したいメッセージを問われると「戦争、核兵器、大嫌い。平和が一番」と答え、滞在中は「一生懸命緊張して予定をこなしていけたら」と力を込めた。 箕牧さんは1945年3月の東京大空襲を受け、家族で広島に疎開した。爆心地から約2キロの広島駅で働いていた父を捜しに行き、母や弟と一緒に入市被爆した。当時3歳で記憶はほぼないが、髪や衣服がボロボロで避難する被爆者の姿を覚えている。 小学5年の時には高熱が続き、学校を長期間休んだ。被爆者として行動し始めたのは、2005年に地元の原爆被害者の会を任されたことがきっかけだった。