スターダム八神蘭奈 メタルバンドのドラマーからレスラーに転身。チャンスの夏がやってきた!
【WEEKEND女子プロレス#23】
昨年12月にデビューしたスターダムの八神蘭奈に、チャンスと試練の夏がやってきた。「ビートストライカー」の異名を持つ八神はデビューから半年で他団体に初参戦し、waveのシングルリーグ戦「Catch the WAVE」でヤングブロックにエントリー。優勝こそ逃したものの、無敗でブロック1位通過の結果を残した。その実績が認められ、若手王座のフューチャー・オブ・スターダムでタイトルマッチを初体験。そして、8・10横浜武道館で開幕する真夏の祭典「5★STAR GP」に、代打ながらも初出場が決まっているのだ。 【写真ギャラリー】スターダム「ビートストライカー」八神蘭奈(写真:新井宏) そもそも彼女はメタル系バンドでドラムを担当、プロレスとはまったく無縁の生活を送っていた。しかし、音楽学校の教師が出演する舞台に誘われ、プロレス要素を取り入れたライブエンターテインメント「魔界」を鑑賞。リングが使用される舞台で、プロレスに興味を持つようになったという。 「メタル好きな人ってプロレス好きな人がホントに多いんですよね。それで私も誘われて、プロレスとはちょっと違うんですけど、リングで繰り広げられるアクションがすごいなと思いました。その後、演出家の方とお話させていただく機会があって、オープニングアクトで演奏させていただけるようになったんです。私、空手三段でアクションが好きだし、宝塚などの舞台も大好きだったので、そういう話もしていたら、『ちょうどいい役があるから出てみない? 立ってるだけでいいから』と言われて、おもしろそうと思って稽古に出かけたんですよ。そしたら初っ端から主役の方に蹴りかかるような場面があったり、出演ごとにセリフやアクションが増えていったり、話が違うぞと疑問を抱きつつも、2019年1月から23年1月まで、4年間出演していました(笑)」 出演当初に出逢ったのが、朱里だった。当時の朱里は一時的にプロレスから離れ、総合格闘技UFCと魔界に専念。ここで2人は親しくなり、八神はアドバイスを受けたり相談に乗ってもらったりしていたという。 「お互いに宝塚が好きで、一緒に観にいったりして交流が深まっていきました。アクションについて親身に指導してくださったりもしましたね。プロレスに戻ってからも魔界を観に来ていただく機会があって、感想を聞かせてもらいました。しばらくしてまた会ったときに、朱里さんが『プロレスに興味ない?』とポロっと言ったんですね。『蘭奈だったらちゃんと育てたいと思ってるんだけど、考えてみてくれない?』って。そこからメッチャ考えるようになりました。その頃、バンドのメンバーが抜けたりいろいろあって、考えた末にプロレスやりますと朱里さんに話しました」 朱里が出ていることでスターダムを見るようにもなったという八神。プロレスへの興味は増していったが、まさか自分がレスラーになるとは夢にも思っていなかった。しかし…。 「なんだか家系的にウチはがたいがいいというか、母親、姉ともプロレスに誘われたことがあるんですよ。母は全女で、姉は舞台女優をやっていてスカウトされました。結果的にレスラーにはならなかったけど、自分より運動神経いいんですよね。魔界でもスカウトされてる子がけっこういましたね。いろんなところから誘われているのを見てきたけど、自分には縁がないんだなって」