【佐藤二朗さん公表】「圧倒的不安で行動に駆り立てられる」強迫性障害を知る 手洗いやカギの確認繰り返す 研究治療の第一人者が解説
俳優の佐藤二朗さんが公表した『強迫性障害』とはどういう症状なのでしょうか。このあとの話を聞いて、「もしかしたら心当たりがある」という方がいらっしゃるかもしれません。 【画像を見る】強迫性障害の事例を見る 100人に1~4人が経験?治療法は 強迫性障害の研究治療の第一人者、兵庫医科大学の松永寿人主任教授に症状や治療法を伺います。
「運転中に振動を感じると、誰かをひいてしまったのではないかと不安」
厚労省の資料では、強迫性障害には循環があり、「ある刺激」→「強迫観念が起こる」→「不安になる」→「不安を打ち消す行為」→「一時的に不安は減る」→「不安を打ち消す行為をやめる」→「また不安になる」というループです。 具体例として、「営業で車の運転中に、振動などを感じると、誰かをひいてしまったのではないかと心配になり、戻って現場を見ないと気が済まなくなる。苦痛で車に乗れなくなって仕事ができなくなった」 または「試験の勉強中、計算が正確にできたか気になって何度もやり直し、結果、勉強が進まず疲労困憊に陥る」。 あるいは「『悪や死』などネガティブな文字を見ると、頭の中で『善や幸』といったポジティブな文字に置き換えなければ、恐ろしいことが身に降りかかるような気がして、新聞が読めなくなった」などが挙げられています。
(兵庫医科大学 松永寿人主任教授) 強迫は、日常生活の中で普通にある手洗いとか、鍵の確認の延長で出てくる症状でございます。しかしながら通常我々は、それほど不安を持たないから、ある程度行動を止めることができるわけですが、圧倒的な不安によってそういった行動に駆り立てられるわけでございます。 ウイルスを恐れて手洗いを繰り返すんだけども、洗っても洗っても安心できないとか、カギの確認をやってもやっても安心できない事態に陥って家に帰ってしまう。不安が繰り返し頭に浮かんで、確認する行為がやめられなくなるということです。
アメリカでは一般的な「OCD」
(REINAさん)アメリカで強迫性障害は「Obsessive-compulsive disorder」頭文字を取ってOCDと言い、かなり一般的です。私の高校生のときのクラスメイトや、その後ルームメイトにもOCDがあり、でも「何事も3回やらなきゃいけない」と事前に説明してくれて、電気のつけ消し、冷蔵庫を3回パパッと開けたりして、話して終わる話ではありました。 アメリカでは一般的に使う用語でもあり、「わたしOCDっぽいところあるんだよね」と言う人もいました。でも、病気を軽々しく見ているわけでなく、オープンに話せる感じがあります。