新卒で入社し3年目です。残業はなく、手取りは「27万」ですが、全くやりがいがありません。「転職」するべきでしょうか?
就職活動を意欲的に行ったとしても、入社企業のすべてを理解するのは不可能です。仕事内容はもちろん社内の雰囲気なども含め、入社後、事前のイメージと違っていたというケースは少なくありません。入社の前と後でのギャップが大きい場合、転職を検討する人も出てくるでしょう。 今回は、新卒入社3年目で給与は27万円であるものの、仕事にやりがいが感じられない場合に、転職するべきかどうかを考えます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
20代の給与の平均はいくら?
新卒で入社し3年目を迎え、手取りを27万円受け取っている人は、給与的にどの程度恵まれているのかを最初に整理しておきます。厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」によると、20~24歳の平均月給は約22万5000円でした。25~29歳では、約25万8000円です。大卒に限ってみると、20~24歳の平均月給は約24万円、25~29歳では約27万3000円となっています。 このうちもっとも高い大卒の25~29歳の約27万円でも、手取りは21~22万円程度です。新卒3年目で手取り27万円は、非常に高い水準といえます。残業なしでこの手取り額であれば、給与面のみでみると転職しないという選択肢も当然ながら出てくるでしょう。多くの同年代の人にとっては、転職するのはもったいないと思われる可能性もあります。
将来のことも見据えたうえでの決断が大切
仕事に何を求めるのかには個人差があります。給与面でみれば平均より大幅に優遇されていたとしても、それ以上にやりがいを求めて転職を望むのも、決しておかしなことではありません。とはいえ、転職によりやりがいが得られても、給与が減ってしまっては、それが新たな不満にもなりかねません。 厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職後に賃金が増加した人の割合は39.0%、転職後に賃金が減少した人の割合は40.1%で、転職により賃金が減少した人の割合が増加した人を上回る結果になっています。 新卒3年目で手取りが27万円受け取れる企業にそのまま勤めていれば、将来的にはさらに平均を大きく上回る収入を手に入れられる可能性があるでしょう。勤続年数が増えるにつれて任される業務の幅も広がり、やりがいも徐々に出てくるケースは珍しくありません。 そうした将来的なことも見据え、やりがいだけではなく収入面や労働環境などさまざまなことを考慮したうえで、転職することについて判断する必要があります。
一時的な感情での転職判断は禁物
転職の決断をする人が増えているとはいえ、すべての人が転職に成功するわけではありません。新卒3年目で残業もなく手取りで27万円受け取っている人は、給与面で、とても優遇された職場にいるといえます。 やりがいを求めての転職も否定されるものではありませんが、一時的な感情に流されての判断は避けた方がよいでしょう。今後、徐々にやりがいが得られるようになる可能性もあります。将来性なども考慮したうえでの決断が大切です。 出典 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査速報 厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部