なぜ韓国・朴大統領の支持率が低迷するのか 浮揚のチャンスは? /辺真一「コリア・レポート」編集長
浮揚のカギは7月末の補欠選挙
支持率が低迷する状況下にあって朴大統領が政権を浮揚できるかどうかは、7月30日に予定されている補欠選挙(全国15議席)にかかっている。 勝敗の行方は、4議席を確保し、過半数(150議席)を確保することにあるのではなく、3分の2の10議席を取り、安定多数を維持することにある。仮に15議席のうち、野党に8議席を取られるようだと、与党・セヌリ党の執行部が7月14日の党大会で新代表の金武星氏を筆頭に「非朴槿恵派」で固められただけに政府与党の足並みが乱れ、朴大統領の政権運営に悪影響を及ぼしかねない。
苦戦なら対日攻勢が強まる?
仮に、補欠選挙で苦戦するようだと、次の手は、来月8月15日の解放記念日を機に再び、安部政権の歴史認識を問題にし、日本に対する外交攻勢を強めるほかないだろう。すでにその兆候が表れている。 谷垣法相ら5人の閣僚らが「みたままつり」に際し、靖国神社にちょうちんを献灯したことについて韓国の外務省は15日、「日本の帝国主義侵略から苦痛を受けた隣国(韓国)と国際社会に正面から挑戦する行為である」と猛反発している。 対日強硬姿勢の堅持こそが、当面朴槿恵政権を支える土台になっているようだ。
------------------------------------------------------------------------------- ■辺真一(ぴょん・じんいる) 東京生まれ。明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者を経て、フリージャーナリストへ。 1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。 1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。 1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。 1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。 2003年 海上保安庁政策アドバイザー。 2003年 沖縄大学客員教授。